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【親子でぶらり 学べるスポット】

アウシュヴィッツ平和博物館(福島県白河市) 高さ120センチの横棒で分かれた生死

収容所で使用された囚人服のレプリカ(左)と「高さ120センチの横棒」。身長が横棒に達しない子どもはガス室に送られた

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 「ホロコースト(大量虐殺)」は人類が犯した最も罪深い過ちだ。第2次世界大戦中にナチス・ドイツは650万人ものユダヤ人、ロマ人、身体障害者らをガス室で殺した。ポーランドにあったアウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所は最大級の虐殺施設だった。国連は2005年に同収容所が解放された1月27日を国際ホロコーストデーと定め、人種差別や偏見の危険性に警鐘を鳴らしている。

 その負の遺産の名を使った「アウシュヴィッツ平和博物館」が福島県白河市にある。

 1988年から日本中を巡回した「心に刻むアウシュヴィッツ展」の常設館として2003年に誕生。以後、ボランティアによる手作りの博物館として運営されてきた。畑や雑木林に囲まれた6000坪の敷地に、古民家風の本館、アンネ・フランクの家、鉄道貨車を使った展示室などが点在している。

 本館には、ポーランドの博物館が管理する、収容所に残された遺品、子どもたちの生死を分けた高さ120センチの横棒などのレプリカが展示されている。

 企画展「『子どもの教育と人権の父』コルチャック」を開催中(〜12月23日)だった。「当館が一番力を注いでいるのが、レスキュアーズ(救出者)の紹介です」と小渕真理館長(63)。

「アンネ・フランクの家」の展示

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 恐怖政治の嵐が吹き荒れた時代にも、勇気を振り絞り、ユダヤ人らを助けた人々がいた。

 命のビザの日本人外交官、杉原千畝氏らが知られているが、「コルチャック先生」も代表的な人物だ。小児科医、児童文学者であったヤヌシュ・コルチャック氏は孤児院を開いてユダヤ人の戦災孤児らを助けた。孤児らが絶滅収容所に運ばれると決まると、行列の先頭を歩いて励まし、一緒にガス室で殺された。その精神は後に国連で採択された子どもの権利条約の礎になったとされる。

 隣接して原発事故から9年目の被害実態などを展示した原発災害情報センターもある。この日本でも国策による人権侵害があると学べる。 (坂本充孝)

◆ひとこと

 2020年はアウシュヴィッツ強制収容所解放から75周年。3月28日に白河市内で演劇「アンネ・フランク」が上演される。全席自由で一般3000円。学生割引あり。

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 ★メモ 福島県白河市白坂三輪台245。東北新幹線新白河駅から車で5分、JR東北線白坂駅から徒歩5分。開館10〜17時。原則火、水曜日は休館。2月は冬季休館。入館料一般500円、高校生300円、中学生以下は無料。(電)0248・28・2108

●足を延ばせば…

 ★小峰城跡 白河市郭内。東北線白河駅から徒歩5分。奧州関門の名城で、梯郭(ていかく)式の平山城。寛政の改革で知られる松平定信をはじめ、7家21代の大名たちが居城とした。慶応4(1868)年、戊辰戦争白河口の戦いで落城、焼失したが、平成3年に「三重櫓(やぐら)」、同6年に「前御門」が史実(江戸時代の絵図)に基づき復元された。同22年には歴史的価値が認められ、国指定史跡となっている。東日本大震災で石垣の一部が崩壊したが、修復を終えた。(電)0248・22・1147

 ★南湖公園 白河市南湖。東北新幹線新白河駅からJRバスで10分、「南湖公園」で下車、徒歩1分。1801年に松平定信が築造した日本最古といわれる公園。池の周りにしだれ桜、紅葉が配置され、四季折々に美しい姿を見せる。

 

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