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【親子でぶらり 学べるスポット】

多摩川台公園(東京都大田区) 千数百年 威容誇る古墳群

緑豊かな多摩川台公園。後方の茂みが亀甲山古墳=大田区で

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 多摩川台公園は、多摩川の左岸、田園調布の住宅地に隣接し、細長く広がっている。都内最大級の前方後円墳を含む古墳群を中心とした珍しい公園だ。

 まず園内中央部にある古墳展示室をのぞいてみよう。室内には墳丘と横穴式石室のイメージが再現され、園内で出土した数々の古墳時代の遺物(レプリカ)が展示されている。

 ここの古墳10基は4世紀から7世紀にかけて造られ、最大の亀甲山(かめのこやま)古墳は、全長107メートルの前方後円墳で、国指定史跡だ。公園の北端にある宝莱山(ほうらいさん)古墳も、それに準じる大きさで、年代は亀甲山古墳より古い。

 大田区立郷土博物館の斎藤あや学芸員は「古墳は当時の技術を結集し造られた。土を盛っただけで雨ざらしの状態なのに、千数百年も形が保たれているのは、粘性の異なる土を交互に積み上げたから」と話す。これらの古墳にはいったい誰が葬られたのか。「地元を支配した首長としか分からない。川からも海からも見える高台に大きな墳墓を築き、自らの力を示したかったのでは」とみる。

 公園は、東西を多摩川などによって削られた細長い尾根状の台地の上にある。よく育った木々の間から、西側の山々がよく見える。天気がよければ富士山も顔をのぞかせる。公園を管理する大石栄男さんは「戦後、ここを公園にしようと発案したのは田園調布に住んでいた下村宏さんという人です」と言う。下村は終戦時の大臣(内閣情報局総裁)で、玉音放送をプロデュースした人物として知られる。

 多摩川八景といわれる景色を楽しむもよし、古代の歴史に思いをはせるのもよし、いろいろな楽しみ方ができる公園だ。(吉田薫)

◆ひとこと

 「まずは現場で古墳を見て、大きさを実感してほしいですね」(斎藤さん)

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 ★メモ 東京都大田区田園調布1丁目・4丁目。年中無休。古墳展示室の開室時間は9時〜16時30分(入室は16時まで)。原則月曜と年末年始休室。入室無料。東急東横線、多摩川線の多摩川駅から徒歩5分。(電)03・3721・1951

●足を延ばせば…

 ★野毛大塚古墳 世田谷区野毛1丁目の玉川野毛町公園内にある。東急大井町線等々力駅から徒歩10分。全長82メートル、直径66メートル、高さ11メートル。円墳に小さな前方部が付いた帆立貝(ほたてがい)式古墳で同種としては最大級。周囲には馬蹄形(ばていけい)の濠(ほり)がめぐり、濠を含めると全長は100メートルを超える。発掘調査で、関東最古の鉄製甲冑(かっちゅう)など、大量の副葬品が見つかった。築造は5世紀初めごろで、多摩川台公園の亀甲山古墳より少し新しいとみられる。墳丘の上に上ることができる。

 ★等々力渓谷 多摩川に注ぐ谷沢川が造った東京23区唯一の渓谷。川に沿って散歩道が設けられている。途中には、武蔵野台地をつくる地層の観察ができる場所、等々力不動の滝や日本庭園も。東急大井町線等々力駅からすぐ。 

 

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