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【国際】

ラトビア「差別ない」 女性医師率1位 70%超

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 東京医科大の入試で、女子の合格を抑制するなどの不正が発覚し、性差別との批判が広がる日本は、女性医師の割合が経済協力開発機構(OECD)加盟三十四カ国中、最下位だ。トップは北欧バルト三国の一つ、ラトビアで女医の割合は七割を超える。それでも、男性を増やすべきだとの議論は起きず、外科医不足などの問題もないという。現地で背景を探った。 (ラトビアの首都リガで、栗田晃、写真も)

 旧ソ連構成国で、人口約二百万人のラトビア。「学生時代も医師になってからも、女性だからといって差別を感じたことはない」。リガにある総合医院に勤める内科医ユリヤ・カタシェワさん(46)は言う。

 医師だった祖母に憧れ、同じ道を志した。長男(16)出産のときは産休、育休合わせて三年、長女(11)のときは二年、現場を離れたが、復帰には支障はなかった。

 「医師は社会に求められている仕事。特に公立病院は人手不足だから」。時短勤務や夜勤のない職場など育児の状況に応じて、働き方も多様に選べる。ベルジンシュ前大統領の妻も医師で、夫の在任中も仕事を続けたという。

 ラトビア保健省のオスカルス・スナイデルス報道官によれば、女性医師が多数を占める比率は長年変わっていないという。外科の男女比は73%、27%と、男性が多くなるのはラトビアも日本も同様だが、男性の外科医を増やそうとする意図や、外科医不足の懸念は特にない。

 女性医師が多い理由について、スナイデルス氏は「特別な取り組みがあるわけではなく、あまり考えたことがない」と首をひねる。ただ医学部進学の段階から、女性は七割を占める。カタシェワさんの家でも、長女が母の仕事に興味を示しているという。

ラトビアの首都リガの総合医院で働くカタシェワさん。2度の育児休暇を経て、職場に復帰した

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 OECD調査では、バルト三国の一つ、エストニアがラトビアに次ぐ二位。OECD以外でもロシアやウクライナなどは60〜70%台と高く、比較的、女性が進学しやすかった旧共産圏の教育システムの伝統が関係しているようだ。

 OECDのデータなどによると、これらの国では西欧や米国にくらべて医師の給与が低く、社会の平均給与レベルに近い。男性の人気の職業になりにくいことも、女性の数を押し上げている背景にあるとみられる。

 

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