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【国際】

米、核廃棄条約離脱を表明 トランプ氏「ロシアが違反」

 【ワシントン=後藤孝好】トランプ米大統領は二十日、西部ネバダ州で記者団に対し、米国と旧ソ連が冷戦末期に結んだ中距離核戦力(INF)廃棄条約について「離脱して条約を終わらせるつもりだ」と表明した。東西冷戦の緊張緩和につながった歴史的な条約が破棄されれば、核軍縮の流れが大きく後退するのは確実だ。

 トランプ氏は「ロシアは条約に違反し続けている。われわれは条約を尊重してきた」と指摘。「誰かが合意に違反している限り、米国だけが条約を順守することにはならない」と条約からの離脱を正当化した。

 米国はオバマ前政権の二〇一四年ごろから、ロシアが中距離ミサイルの配備や開発を進めているとして問題視し、昨年三月にはロシアが新型の地上発射型巡航ミサイル「9M729」を配備したと批判。INF廃棄条約は米ロの二国間条約のため、制約を受けない中国が中距離ミサイルの配備を進めているが、米国は条約に縛られて対処できない現状への不満もあった。

 核軍縮を巡っては、米ロの新戦略兵器削減条約(新START)が二一年に期限を迎える。米国はロシアがINF廃棄条約を順守しなければ、二一年以降の延長交渉に応じない姿勢を示しており、米ロ対立の深刻化で新STARTの存続も危ぶまれる。ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は二十一日、モスクワに到着し、近くラブロフ外相らと会談。ロシアが対応を改めなければ条約から離脱する方針を伝え、今後の対応を協議する。

◆米ロの2国間条約

<中距離核戦力(INF)廃棄条約> 1987年12月、当時のゴルバチョフ・ソ連共産党書記長とレーガン米大統領が調印した。88年6月発効。米ソの地上配備の中・短距離核ミサイル(射程500〜5500キロ)を発効から3年以内に全廃すると定めた史上初の特定兵器の全廃条約。91年までに両国で計2692基を廃棄、現地査察制度も導入し、冷戦終結を後押しした。2国間条約のため、中国などの配備には歯止めをかけられない。

 

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