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【国際】

「核保有は恥」禁止条約発効訴え 杉並の被爆女性が国連演説

 【ニューヨーク=赤川肇】広島の原爆で介抱に当たって被爆した救護被爆者の塚本美知子さん(84)=東京都杉並区=が三十日、ニューヨークの国連本部で演説し、核兵器を法的に禁止する核兵器禁止条約の発効に向けて「力を合わせて核保有国の圧力と闘いたい」と呼び掛けた。

 発効に必要な五十カ国以上の批准を後押ししようと、条約制定を主導したオーストリア国連代表部などが国連総会第一委員会(軍縮)の関連行事として主催。塚本さんは原爆で父親=当時(42)=を亡くし、自身も広島県内の離島で被爆者らの介抱を手伝って被爆した。父親を捜して「遺体の山」を歩いた母親の話や、後遺症で亡くなったり自殺したりした被爆者の存在を語った。

 「七十三年前の歴史ではない。今日も苦しんでいる被爆者やその子ども、孫たちがいる」と強調し、「核兵器保有を誰もが恥と考える世界」の実現を訴えた。

 条約に署名した中米エルサルバドルのルーベン・エスカランテアズブン国連大使は取材に「十歳で親も生活も突然失うと想像するだけで涙が出る。核兵器は地政学や同盟関係などの文脈で語られがちだが、人命を破壊し、誰の身にも降りかかりうるという人道的見地から考えたい」と話した。

 米国が中距離核戦力(INF)廃棄条約離脱を表明、核廃絶の道に逆行する動きが懸念される一方で、核禁止条約にはこれまでに六十九カ国が署名し、十九カ国が批准。NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)は二〇一九年末までの発効を目指している。日本は署名していない。

 会合は、ICANの川崎哲・国際運営委員が司会を務めた。

 

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