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【国際】

カタールが独自外交 サウジの断交受け 脱「湾岸会議」へ

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 【カイロ=奥田哲平】サウジアラビアなどから国交を断絶され、湾岸協力会議(GCC)で孤立するカタールが独自の外交攻勢を掛けている。十六日まで首都ドーハで開催した国際会議にはグテレス国連事務総長が出席し、五億ドル(五百六十四億円)の財政支援を約束。サウジと対立するイランとトルコの両外相も招き、「脱GCC」の姿勢を鮮明にした。

 ロイター通信などによると、国際会議は外交や多様性などをテーマに開かれ、ムハンマド外相は「GCCは実効性がなく、徐々に衰えている。カタールは、バラバラになった国々よりも欧米社会と密接な関係がある」と強調。グテレス事務総長との間では、五億ドルの支援のほか、国連児童基金(ユニセフ)など四つの国連機関の事務所をドーハに開設することで合意した。

 サウジなどは昨年六月、「テロ組織の支援」やイランとの接近を理由にカタールとの断交に踏み切り、国境封鎖などの制裁措置を続ける。カタールは今月、サウジの影響力が強い石油輸出国機構(OPEC)からの脱退を決め、タミ厶首長はGCC首脳会議も欠席。天然ガス輸出による裕福な国家財政をてこに、多国間外交を展開する。

 十一月からは生活環境が悪化するパレスチナ自治区ガザへの人道援助として、毎月現金千五百万ドルと一千万ドル分の燃料の提供を始めた。半年間続ける見通しで、電気や水道水供給も改善しつつある。ガザを実効支配するイスラム主義組織ハマスとイスラエルを仲介した形だ。カービ・エネルギー・産業相は今後五年間で米国に二百億ドルを投資するとも表明した。

 カタールが頼るのはイランとトルコ。両国との貿易取引を拡大し、トルコのチャブシオール外相は国際会議で「制裁は容認できない」と述べた。サウジ資本の衛星放送アルアラビーヤ(電子版)は十六日、両国がカタールを利用して「地域の安全保障や米国の利益を損ねている」と非難した。

 エジプト紙アルワタン研究員のバハア・アイヤド氏は「カタールは地域大国に頼ることで経済封鎖に抵抗する戦略。GCCにとどまり続けるようには見えない」と指摘し、将来のGCC離脱もあり得るとみる。

<湾岸協力会議(GCC)> 1981年にペルシャ湾岸にあるサウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、クウェート、オマーン、カタールの6カ国で設立。いずれもイスラム教スンニ派で、シーア派のイランで起きたイスラム革命やイラン・イラク戦争への危機感から外交面で歩調を合わせ、治安維持や経済分野で連携を深める。

 

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