東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 紙面から > 1月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

政情混乱ベネズエラ インフレ率1000万%!?

15日、ベネズエラの首都カラカスの精肉店。壁に掲げられた肉の価格は空欄になっていた=共同

写真

 政情混乱に陥っている南米ベネズエラでハイパーインフレーションに歯止めがかからない。国際通貨基金(IMF)はインフレ率が今年中に1000万%に達すると予測。商店では日に何度も商品価格が上がり、反米左翼マドゥロ政権が昨年実施したデノミネーション(通貨呼称単位の変更)や最低賃金の引き上げも焼け石に水の状態。市民生活に打撃を与え続けている。

 一月中旬、首都カラカス市内の食料品店の壁に取り付けられた大きなパネル。チーズやソーセージなど約六十種品目の価格は空欄だった。「商品の多くが入荷しないのと、価格変動が激し過ぎるのが理由」。店主のサムエル・アルカセルさん(33)が説明する。

写真

 陳列棚にあったチーズの塊の値段は約一万ボリバル(非公式レートで約四百三十円)。前日は約七千八百ボリバルだった。価格のシールを日に三、四回貼り替えることも。市民の間では商品を購入しようか考えている間に価格が上がったとの笑えない会話が交わされる。

 従業員エグレ・ルイスさん(38)の月給は二千五百ボリバル。「これではチーズもソーセージも買えず、CLAP(クラップ)がなければ生きていけない」。CLAPとは食料品の低価格による配給制度で、国民の不満解消のため二〇一六年四月に導入された。

 社会主義的な政策を取るベネズエラは、石油生産の落ち込みなどから財政難に陥り、食料品や医薬品の輸入が停滞。物不足などで物価が上昇する一方で、通貨は下落を続けている。

 政権は一八年八月、通貨ボリバルからゼロを五つ取り、十万分の一に切り下げるデノミを実施した。しかし早くも新たな二ボリバル、五ボリバル両紙幣は価値がなくなり、店舗での受け取りを拒否されているという。

 マドゥロ大統領はハイパーインフレの理由を、敵対する米国などが仕掛ける「経済戦争のため」と説明する。二期目就任直後の一月十四日の施政方針演説では、月額最低賃金を300%引き上げ一万八千ボリバルにすると発表。政権はこれまでも数カ月ごとに最低賃金を引き上げてきた。

 地元エコノミストのオマル・サンブラノ氏は「財源がないのに賃上げをするため、中央銀行がさらに紙幣を印刷しなければならず、新たなインフレを呼ぶ悪循環となっている」と指摘する。

 アルカセルさんの店の共同経営者デジャリ・パラダさん(45)は「ドル化と市場開放をしなければ出口はない」と訴えた。 (カラカス・共同)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報