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【国際】

「ウイグル強制収容 人類の大きな恥だ」 トルコ外務省が中国非難

2015年7月、イスタンブールで、中国政府のウイグル族政策に抗議するトルコ在住のウイグル族ら=AP・共同

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 【カイロ=奥田哲平、北京=中沢穣】中国新疆ウイグル自治区でトルコ系の少数民族ウイグル族が再教育施設に強制収容されていると指摘される問題を巡り、トルコ外務省は九日の声明で「人類の大きな恥だ」と強く非難し、施設閉鎖を求めた。中国側は反発しており、経済的なつながりを深めてきた両国関係が悪化する恐れがある。

 AFP通信によると、トルコ外務省は「百万人以上のウイグル人が恣意(しい)的な拘束の危険にさらされ、強制収容所で拷問や洗脳を受けている」と指摘。トルコでも人気があるウイグル族民謡歌手アブドゥレヒム・ヘイット氏が収容中に死亡したと説明し、「(トルコの)世論はより厳しくなった」と強調した。

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 これに対し中国国営、中国国際放送のトルコ語ツイッターは、ヘイット氏とされる男性が「健康状態は良好だ」「今日は二〇一九年二月十日だ」などと話す二十六秒の映像を公開した。外務省の華春瑩(かしゅんえい)副報道局長は十一日の定例記者会見でヘイット氏が国家安全に危害を及ぼした疑いで捜査を受けていると明かし、「声明は生きている人を死人にする荒唐な虚言だ。厳正に抗議した」と反発した。

 イスラム教徒が大半のトルコはウイグル族と民族、宗教的に近く、約五万人のウイグル難民が暮らすとされる。二〇〇九年に区都ウルムチで騒乱が起きた際には、エルドアン大統領が「大量虐殺だ」と非難を強めた。しかし近年は批判を控えていた。トルコにとって中国は最大の輸入相手国で、中国からの投資や観光客は魅力だ。中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)にも参加している。

 唐突とも言える今回の声明は、来月の統一地方選を前に、与党連立を組み、ウイグル保護を訴える極右政党「民族主義者行動党」(MHP)の意向をくむ狙いとみられる。非難を続けるかは不透明だ。

 声明を受け、亡命ウイグル人らでつくる研究機関ウイグル学院(イスタンブール)のアブドルハミト・カラハン代表は「離散ウイグル人の処遇を改善してくれると期待する」と歓迎した。最近は在住許可が更新されない事例が相次ぐという。ある留学生の男性(34)は「何度移民局に行っても延長してくれない。不法滞在になってしまった」と嘆いた。

 一方、経済圏構想「一帯一路」の建設を進める中国も、アジアと欧州をつなぐ地域大国トルコとの関係を重視しており、決定的な関係悪化は避けたいとみられる。中国紙、環球時報は十二日付の社説でトルコを非難しつつ、声明が外務省報道官のレベルにとどまっていることを強調した。

 

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