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【国際】

英離脱延期可決 3年前の民意先送り、打開策見えず

<解説> 英下院は、欧州連合(EU)離脱を巡り、現行の合意案、合意なき離脱、離脱の延期について三日連続で賛否を問うた結果、今月二十九日の離脱予定日の延期を選択した。だが、現段階で延期が決まる保証はない。社会を大混乱に陥れる「合意なき離脱」を完全に回避できたわけでもなく、問題を先送りしただけだ。

 現行の合意案に固執するメイ氏は、延期の機会を利用して、合意なき離脱も辞さず、これまで二度の採決で合意案に反対してきた強硬離脱派の翻意を狙う。

 延期の動議では、EUの合意が得やすい六月末までの延期に、合意案への賛成を条件づけた。否決されれば「EUは明確な延期理由と期間を求めてくる」として、強硬離脱派が拒否する長期の延期を招くことになると圧力をかけた形だ。

 七月一日からは、英国が七十三議席を維持する欧州議会(任期五年)の新会期が始まる。延期がずれ込めば五月の議会選に候補者を出さなければならず、離脱撤回の議論が強まる。さらに、野党・労働党を中心に再度の国民投票を求める声が高まるのは必至。いずれも強硬離脱派が最も嫌う状況に陥る。

 三度目の合意案採決は、下院に対する「踏み絵」ともいえるが、二度否決された合意案と同じ中身が可決される保証はまったくない。三年前の国民投票で示されたEU離脱という民意は、万策尽きた政治ゲームに翻弄(ほんろう)されている。 (ロンドン・沢田千秋)

 

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