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【国際】

プーチン大統領の支持率低下 年金改革に反発、クリミア併合前水準に

モスクワで2月下旬に行われた反政権の野党指導者ネムツォフ氏の追悼デモ。「プーチンは嘘つきだ」とのプラカードが掲げられた

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 盤石を誇ったロシアのプーチン大統領の支持率に異変が起きている。支持を爆発的に押し上げたウクライナ南部クリミア半島併合から十八日で五年。年金改革などで「神通力」は薄れ、併合以前の水準に逆戻りし、低下傾向が続く。プーチン政権は危機感から内政重視の姿勢を見せるが、国民には冷めたムードも漂う。 (モスクワ支局・栗田晃、写真も)

 「プーチンなきロシアを」「プーチンはロシアの恥だ」。二月下旬、モスクワで行われた反プーチン政権の野党指導者ネムツォフ元第一副首相の追悼デモ。参加した約一万人が声をそろえた。

 二〇一五年二月、クレムリン(ロシア大統領府)近くで起きたネムツォフ氏射殺事件から四年。今年の参加者は昨年より三千人増えた。建築士の男性(51)は「政権を支持していないことを示すために来た。嘘(うそ)やお先真っ暗な未来にはもううんざりだ」と話した。

 昨年六月、国民の反発が強かった年金受給開始年齢引き上げが発表されて以来、プーチン氏の支持率は顕著に低下。独立系調査機関レバダセンターによると、翌七月の支持率は67%で、大統領選再選直後だった四月から三カ月で15ポイントも低下し、クリミア併合直前の一四年二月(69%)の水準に戻った。

 その後も支持率の減少傾向は止まらず、今年二月には64%まで下がった。二月の年次教書演説では、少子化や貧困問題、教育、医療など総ざらいして対策を強調。一方で、コメルサント紙によると、演説のテレビ中継の視聴率は過去五年間で最低となった。カーネギー財団モスクワ・センターのコレスニコフ研究員は「支持率向上を狙った演説は不発に終わった。国民はプーチン氏の約束を信じていない」と指摘した。

 プーチン政権は欧米に譲歩しない強硬な外交姿勢で国民の団結を呼び掛け、求心力を維持してきたが、長引く経済制裁の影響もあり、不満がくすぶる。レバダセンターが一月実施した調査結果によると、「国が間違った方向に進んでいる」との回答は45%で昨年の28%から大幅に増えた。

 プーチン政権の支持率低下で、国民の反発が強い領土問題での譲歩はさらに困難になるとみられ、日ロ関係にも影響する。今年に入ってから日本との北方領土交渉でロシアが強硬姿勢を続ける背景には、政権が支持率を意識していることもありそうだ。

 

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