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【国際】

北が連絡事務所撤収 米と物別れで韓国に圧力か

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 【ソウル=中村彰宏】北朝鮮南西部の開城(ケソン)に昨年九月に開所した南北共同連絡事務所から、北朝鮮側が二十二日、撤収した。韓国統一省が明らかにした。北朝鮮は物別れに終わった二月末の米朝首脳会談を受け、「仲介役」を自任する韓国の文在寅(ムンジェイン)政権に米国への働き掛けなどを迫る狙いがあるとみられ、融和が進んでいた南北関係にも暗雲が漂い始めた。

 統一省の千海成(チョンヘソン)次官によると、北朝鮮側は二十二日、「上層部の指示により撤収する」と伝え、駐在していた全員が退去した。千氏は「撤収は遺憾」とし、「北朝鮮側が早急に復帰し、南北間の合意通りに共同事務所が正常に運営されることを願う」と述べた。

 連絡事務所の設置は昨年四月の南北首脳会談で「板門店(パンムンジョム)宣言」に盛り込まれ、九月に開所した。南北所長らの定例会議を毎週一回開催していたが、二月末の米朝首脳会談以降は一度も開かれていなかった。それぞれの事務所は同じ建物の別の階に入っており、韓国側が事務所を残すことについては、北朝鮮側は「関与しない」と通達したという。韓国側は今後も事務所の運用を続ける。

 南北関係の停滞は、文在寅大統領にとっても打撃だ。撤収を受けて韓国政府は二十二日、国家安全保障会議(NSC)を急きょ開いて対応策を協議した。経済制裁の影響で開城工業団地や金剛山(クムガンサン)観光は再開が見通せず、南北の鉄道・道路連結など経済交流事業も進展していない。政策の柱に掲げてきた南北融和にブレーキがかかり、文氏の支持率は今月中旬に過去最低を更新した。

 

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