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【国際】

米スリーマイル島事故40年 「過ちから学び廃炉」住民訴え

28日、米ペンシルベニア州ミドルタウンのスリーマイル島原発前で、廃炉を訴える人たち=赤川肇撮影

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 【ミドルタウン(米東部ペンシルベニア州)=赤川肇】米史上最悪とされるスリーマイル島(TMI)の原発事故から28日で40年を迎えた。今も営業運転が続く同原発の前で記念集会があり、反対派の住民らが早期の廃炉や健康被害の徹底調査を訴えた。

 事故があった午前四時ごろ、絶え間なく白い蒸気が上がる巨大な冷却塔を背景に「TMIの救済をやめろ」などと書いたプラカードやろうそくを持った約三十人が並び、黙とうした。折り畳みいすに座って参加した女性(87)は「原発がある限り、同じ過ちが繰り返されかねない」と訴えた。

 事故は原子炉二基のうち三カ月前に営業運転を始めたばかりの2号機で発生。米原子力規制委員会(NRC)によると、装置の故障や設計上の問題、操作ミスが重なり、核燃料が溶ける「メルトダウン」(炉心溶融)とともに放射性物質が大気中に放出された。

 米政府は人的被害について、放射性物質の放出量が少なく、健康や環境への影響は「無視できるほどだった」(NRC)との見解。一方、周辺住民の甲状腺がん発症率の上昇など事故による健康被害の可能性を示す研究結果も複数あり、政府見解に懐疑的な見方は専門家の間でも根強い。

 夫が甲状腺の病気を患っているというポーラ・ケニーさん(72)は「原発のせいかどうかは分からない。政府が健康調査をしないからよ。事故から何も学ぼうとしていない」と憤った。

 米国の原発はガス火力発電との価格競争や再生可能エネルギーの普及で採算性が低下。事故後にTMI原発を受け継いだ米電力・ガス大手エクセロンは二〇一七年、州政府の「政策変更」がなければ一九年九月末までに閉鎖すると表明。州議会では現在、地球温暖化や雇用の対策としてTMIを含む原発の存続に向けた支援策が提案され、議論を呼んでいる。

 

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