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【国際】

正男氏殺害事件被告 証言なく裁判終結 

 【クアラルンプール=共同】北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏が殺害された事件で、マレーシアの首都クアラルンプール近郊の高裁は一日、実行犯として起訴されたベトナム国籍のドアン・ティ・フオン被告(30)に「危険物による傷害罪」で禁錮三年四月の実刑判決を言い渡した。

 マレーシア検察は一日の公判で、殺人罪から罪状の軽い「危険物による傷害罪」に訴因変更し、フオン被告が受け入れた。殺人罪に問われた二人の公判は、いずれも被告が事件について証言する機会がないまま幕引きとなり、司法を通じて真相に迫る道は閉ざされた。

 裁判官はフオン被告について「罪を認め反省している。前科がないことも考慮した」と説明した。逮捕から二年以上勾留されており、弁護側によると早ければ五月に出所する可能性がある。フオン被告は閉廷後、死刑が適用される殺人罪を免れ、「とてもうれしい」と笑顔を見せた。

 事件ではインドネシア国籍の女性シティ・アイシャさん(27)も殺人罪で起訴されていたが、三月十一日に検察が突然、起訴取り下げを表明し、アイシャさんは釈放された。検察側は理由を明らかにしていないが、インドネシア政府から強い要請を受けたマレーシア政府の政治的な判断が働いたとみられる。

 フオン被告とアイシャさんは「いたずら番組の撮影だと思っていた」と無罪を主張してきた。アイシャさんの釈放を受け、ベトナム政府もフオン被告の釈放を要請し始めた。

 新たな起訴状などによると、フオン被告は二〇一七年二月十三日、北朝鮮国籍の男四人と共謀し、クアラルンプール国際空港で、正男氏の顔に猛毒の神経剤VXを塗り、意図的に傷害を負わせたとされる。男四人は直後に出国、北朝鮮に帰国したとみられる。

 

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