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【国際】

英離脱「合意なし」備えEU着々 仏の港、通関施設の整備進む

5日、仏北西部サンマロの港で急ピッチで進むトラック用駐車場の整備

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 英国の欧州連合(EU)からの離脱に備えたEU側の通関態勢が整ってきた。英国の離脱期日が当初の三月末から延びたこともあり、準備時間が稼げたためだ。離脱の行方は混迷が続くが、経済に打撃を与える「合意なき離脱」に備えた対応は着実に進んでいる。 (仏北西部・サンマロで、竹田佳彦、写真も)

 英仏海峡を望む仏北西部サンマロの港で、英仏間の往来のため通関手続きなどをするトラック用駐車場の整備が進む。工事車両に乗った作業員男性は「当初離脱予定の三月末なら間に合っていなかった。再延期なら絶対に大丈夫」と胸を張る。

 港では、フェリーによる英仏間の物流に対応するため税関と検疫に当たる職員を増員。検査施設の整備も終わった。現在は通関に必要な書類の周知などを図っている。

 英仏間で輸送トラックを運ぶフェリーの運航会社ブリタニー・フェリーズのクリストフ・マチューCEO(50)も「延期が準備する時間をくれた」と話す。

 同社は二〇一八年、EU域内にとどまるアイルランドとフランスをつなぐ航路を開設した。現在は週二便だが、離脱後は利用状況を見て増便も検討。国境管理が離脱交渉の難題になっている英領北アイルランドとアイルランド間を通過しない物流が進む見込みだ。

 合意なき離脱に備えて、英国との域外国境を持つことになるEU各国では税関や検疫施設、関連施設の整備が進められた。欧州委員会は三月二十五日「準備が完了した」と発表、フランスのマクロン大統領も「われわれの備えはできている」と表明した。

 英国は今月五日、EUに離脱期日を六月三十日まで再延期するよう要請した。EUは今月十日に緊急首脳会議を開いて対応を決めるが、ユンケル欧州委員長は「英下院で離脱合意案を可決しなければ、いかなる短期の延期も認めない」との姿勢で、再延期に必要な各国の承認が得られるかは見通せない。

 マチュー氏は「再延期による秩序立った離脱が望ましいが、もうわれわれの準備はできた。どうなっても対応できる」と強調した。

 

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