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【国際】

バシル大統領を解任 スーダン軍がクーデター

解任されたバシル大統領=5日、ハルツームで(ロイター・共同)

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 【カイロ=奥田哲平】アフリカ北東部スーダンのイブンオウフ国防相は十一日、三十年にわたって強権支配を続けてきたバシル大統領(75)を拘束し、解任したと発表した。昨年十二月以降反政府デモが全土に広がったため、軍が事実上のクーデターに踏み切った。

 副大統領を兼務するイブンオウフ氏は国営テレビで「若者の未来は閉ざされ、国民は汚職や不公平に耐えてきた。現体制の排除と大統領の拘束を宣言する」と述べた。同氏をトップとする軍評議会が二年間実権を握り、新憲法制定や選挙実施で円滑な政権移行を図る。三カ月間の非常事態宣言や政治犯釈放も命じた。

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 中東の衛星放送アルアラビーヤによると、首都ハルツームは十一日朝から各地に軍部隊が配置され、政府高官や与党幹部らが次々と拘束された。国防省周辺ではデモ参加者が「われわれは勝った」と歓声を上げ、軍介入を歓迎した。

 デモは昨年末、小麦への補助金削減を受けたパンの値上げをきっかけに始まり、バシル氏打倒を求める抗議運動に発展した。今月六日からは国防省を数千人が取り囲み、軍が国民の側に立つよう求めていた。九日には治安部隊と衝突し、双方で十一人が死亡した。

 スーダンは、二〇一一年に70%以上の油田が集中する南部が南スーダンとして独立し、国家収入が減少。テロ支援国家に指定した米国からも経済制裁(現在は解除)を受けた。南スーダンやシリアなどから難民も押し寄せ、通貨下落と70%に達するインフレで国民の不満が噴出した。

 バシル氏は一九八九年の軍事クーデターで実権を握り、西部ダルフールでの民族紛争を巡る戦争犯罪などの容疑で、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ている。米英なども十日、「政権移行に向け道筋を示すべきだ」と退陣を促した。

 アフリカ北部では二日、二十年政権を握ったアルジェリアのブーテフリカ大統領(82)が退陣。反政府デモを受けた軍が政治介入し、辞任に追い込まれた。

 アハラム政治戦略研究所(エジプト)のアムル・ラビア研究員は、二〇一一年に起きた中東の民主化運動を例に「スーダンとアルジェリア両国軍は、国の混乱回避と軍の立場を保つために政権を倒した。シリアが内戦に陥った前回から教訓を学んだ第二の『アラブの春』と言える」と指摘した。

 

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