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【国際】

聖域都市で不法入国者釈放 米大統領表明に市長反発

12日、米ホワイトハウスで演説するトランプ大統領=UPI・共同

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 【ニューヨーク=赤川肇】トランプ米大統領は十二日、野党民主党が移民法制の厳格化を妨げているとして、国境付近で拘束した不法入国者らを移民に寛容な全米各地の「聖域都市」で釈放する考えを明らかにした。聖域都市は民主党が優勢な大都市部に多く、「人間を使った政治的報復だ」と批判が相次いでいる。

 ワシントン・ポスト紙が十一日、トランプ政権の提案が関係当局から「拒否された」と報じたばかりだった。ウォールストリート・ジャーナル紙によると、拘束者が増えて収容施設の不足が問題化する中、政権側は昨秋から当局に実現可能性を打診してきた。

 トランプ氏は十二日、ツイッターで「民主党が危険な移民法を変えたがらないから、報道の通り、不法移民を聖域都市に送ることを強く検討中」と表明した。

 記者団には、移民保護を訴える西部カリフォルニア州の民主党知事を名指しし「多くの人々、難民らを欲しがっている聖域都市に与え、面倒をみてもらうことになるだろう」と主張。「(不法移民らの)供給は無限に可能だ。聖域都市が喜ぶかどうかを見てみよう」と挑発してみせた。

 これに対し、カリフォルニア州ロサンゼルスのガルセッティ市長は「(移民らは)人質ではなく人間なんだよ、大統領」と諭すようにツイッターに投稿。オバマ前政権で大統領首席補佐官を務めた中西部イリノイ州シカゴのエマニュエル市長は声明で「米国人の価値観や理想」をトランプ氏が放棄していると批判した上で、「あらゆる思想信条や国籍、人種の移民らがシカゴを最も米国の都市らしくする」と移民の受け入れに前向きな姿勢を強調した。

 移民が全人口の38%、労働人口の45%を占める東部ニューヨーク市のデブラシオ市長は「トランプ氏の移民政策に一貫するのは冷酷さだけだ」と皮肉った。

 聖域都市は、不法滞在だけを理由に取り締まらないなど不法移民に寛容な郡や市の通称で、全米に三百以上あるとされる。トランプ氏は就任以来、不法移民対策に協力しない聖域都市への補助金を打ち切るなど締め付けを強めてきた。

 

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