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【国際】

ノートルダム大聖堂火災 専門家「再建に10〜15年」

16日、パリのノートルダム寺院の建物上部に開いた穴=AP・共同

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 【パリ=竹田佳彦】フランス・パリ中心部のノートルダム寺院(大聖堂)の大火災で、マクロン仏大統領は十六日、テレビ演説し、五年以内に再建すると表明した。再建費用の募金窓口として四財団を指定し、基金を造成する。ただ、損壊状態の診断や職人の確保など課題が多く、専門家から「十〜十五年かかる」との指摘が出ている。

 マクロン氏は演説で「大聖堂をこれまで以上に美しく再建する。五年で成し遂げたい」と述べ、国民に連帯を呼びかけた。二〇二四年にパリで開催するオリンピック・パラリンピックに間に合わせる考えだ。

 再建には、既に民間企業などから八億ユーロ(約一千億円)以上の寄付表明が寄せられた。十七日に記者会見したフィリップ首相は「透明性の確保が重要」と指摘。仏遺産財団など四財団が窓口となり、基金を設立すると述べた。焼失した尖塔(せんとう)の再建を巡り、国際的なコンクールを実施する。

 短期間での再建方針に対し、専門家は懐疑的な見方を示した。仏文化省の建築物保護担当者は仏紙フィガロで「火災による石材の石灰岩やモルタル、構造そのものへの影響を診断する必要がある」と指摘。石材が放水と火災の熱で劣化している恐れもあり、想定を超える被害が予想される。建物の乾燥に数カ月かかるとの意見もある。

 工事にあたる屋根葺(ふ)き職人ら技術者不足も指摘される。仏職人組合の代表者は仏紙パリジャンで「今より三百人以上の職人が必要」と述べた。屋根裏の構造を従来と同じ木製にするか、鉄骨やコンクリート製にするかも今後の議論だ。木材使用の場合、千三百本必要とされるオーク材の確保も課題となる。

 パリジャンは「着工するまでに数年かかる」との見方を示す。修復関連企業のレトフェ代表は「五年での再建は非現実的だ。十〜十五年はかかるんじゃないか」と述べた。

 

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