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【国際】

リビア進軍側を評価 トランプ氏「テロ対策で役割」

 【カイロ=奥田哲平】米ホワイトハウスは十九日、トランプ大統領がリビア東部の民兵組織「リビア国民軍」(LNA)を率いるハフタル司令官と電話協議し「テロ対策と石油資源の保護で重要な役割を果たしていると認めた」と発表した。

 国家分裂状態のリビアでは今月上旬から、LNAとシラージュ暫定政権側の大規模衝突が続く。これまでハフタル氏にトリポリに向けた進軍の停止を呼び掛けていた米国がLNAの役割を重視する立場を鮮明にしたことで、混乱に拍車を掛ける恐れがある。

 旧カダフィ政権の軍高官だったハフタル氏が率いるLNAは今月四日以降、国連が認める暫定政権側の拠点である首都トリポリ近郊に進軍。世界保健機関(WHO)によると、十七日までに市民を含む二百五人が死亡、九百人超が負傷した。二万五千人以上が避難を余儀なくされている。

 LNAは「テロリスト掃討」との名目で進軍しているが、実際には石油収入を暫定政権に握られていることに不満を募らせ、武力行使で政権崩壊をもくろんでいる可能性が高い。国連のサラメ特使は英BBCに対し、LNAが進軍時にシラージュ氏ら政権幹部の拘束を画策したとして「テロとの戦いではなく、クーデターのようだ」と批判した。

 ハフタル氏が国際社会の停戦の呼び掛けを無視して戦闘を続ける背景には周辺国の支援があり、最近は一部周辺国の直接介入も目立ち始めた。LNA報道官は十八日、国名は挙げずに「友好国」の戦闘機が空爆に参加したと認めた。アラブメディアは、エジプトが電波妨害装置などを提供したと報じている。

 米メディアもサウジアラビアがLNAに数百万ドルの財政援助を約束したと伝えた。十九日にトランプ氏がハフタル氏を重視する考えを鮮明にした経緯は明らかになっていない。ただハフタル氏は米中央情報局(CIA)との関係が深く、カダフィ政権が崩壊する二〇一一年まで二十年以上米国に亡命していた。

 リビアは一一年以降、西部トリポリを中心とするイスラム主義勢力とLNAを中心とする東部の世俗派勢力が対立。国連仲介で一五年に統一政府の樹立を目指すことで合意し、シラージュ氏が暫定首相に就いたが国連の和平プロセスは合意と破綻を繰り返している。

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