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【国際】

スーダン、やまぬ民主化デモ 軍暫定政権へ反発なお

「革命、革命」と連呼するデモ参加者ら

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 【ハルツーム=奥田哲平】三十年にわたるバシル大統領の強権支配が崩壊したアフリカ北東部スーダンで、軍が暫定政権への移行を宣言した後も民主化デモが収まらず、緊張状態が続いている。「エジプトの二の舞いにはならない」。デモ隊は二〇一一年の民主化運動「アラブの春」を経て軍主導の統治が復活した隣国を教訓に、即座に民政移管するよう要求している。

▼にらみ合い

 「革命は終わらない」「民衆に力を」。記者が首都ハルツームに入った二十日、国防省周辺では寝泊まり用のテントが並び、ステージでは深夜も若者らが演説し、スローガンを連呼していた。今月六日に始まった座り込みデモは、軍がバシル大統領を拘束し、政権を追放する原動力になった。ボランティアが荷物検査を実施し、平和的なデモを保つよう呼び掛ける。

 デモ隊は政権が崩壊した当初は歓喜の声を上げたが、軍が二年間の暫定政権を担い、バシル氏側近の国防相イブンオウフ氏が議長に就任すると、「看板の掛け替えにすぎない」と反発。同氏を辞任に追い込んだ。IT技術者アブドルハミドさん(28)は「要求が受け入れられるまで、この場所を離れない」と力を込める。

 デモを主導する「スーダン専門職組合」は二十一日にも軍事評議会に代わる文民政権の概要を発表する構えだ。リーダーの一人、ターレク・マカディ氏(40)は「軍が真剣な交渉に応じるよう圧力をかける」と語る。ブルハン中将が議長を務める軍事評議会は、バシル氏の不正蓄財疑惑の捜査を始めるなど一定の譲歩を示し、デモ隊を強制排除せずに軟着陸させる狙い。デモ隊の中でも意見対立が表面化しつつあり、民主化の行方は予断を許さない。

▼教訓

 アフリカ北部は今月、アルジェリアでもブーテフリカ大統領の長期政権が崩壊し、「アラブの春」と似た動きが相次ぐ。両国は当時民主化デモを抑え込んだが、若者の失業問題や経済改革などの根本的問題を放置し、第二幕が訪れた形だ。

 ただ、アラブの春はシリアやイエメンに内戦を招き、リビアも国家分裂状態が続くなど成功例は少ない。スーダンのデモ隊が懸念するのはエジプトの事例だ。民衆デモがムバラク政権を失脚させた後も軍は体制維持を優先し、一三年に軍事クーデターでシシ政権が強権支配を復活した。医師ヌハ・バスティンさん(32)は「エジプトのように軍に革命を奪われたくない」と指導層の一新を求める。

 一方、政変の飛び火を恐れるアラブ諸国は次々と軍事評議会への支持を表明した。サウジアラビアは使節団を派遣し、人道物資の支援を約束。エジプトのシシ大統領もブルハン議長との電話協議で「治安の安定を全面的に支える」と強調した。デモ隊の中にはサウジなどの国名を列挙し「スーダンに入るな。修理中だ」と書いた横断幕を掲げる参加者もいた。

革命継続を呼び掛ける演説に熱狂するデモ参加者ら=いずれも20日夜、スーダンの首都ハルツームの国防省周辺で(奥田哲平撮影)

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