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【国際】

K−POP、ハコ不足 ソウルで専用アリーナ建設へ

ソウル市北部に建設が予定されている「ソウルアリーナ」完成予想図=同市提供

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 BTS(防弾少年団)やTWICEなどの「K−POP」グループが世界的な人気を集める中、母国・韓国のコンサート会場不足が問題になっている。日本の横浜アリーナやさいたまスーパーアリーナのように公演設備の整った会場がなく、人気グループのチケットは毎回、厳しい争奪戦に。K−POPで地域を活性化するとともに、国外からも多くの観光客を呼び込もうと、ソウル市などは専用アリーナの建設に乗り出した。 (ソウル・境田未緒)

 十二日発売の新アルバムが英国のアルバムチャートで、韓国人として初の一位を獲得したBTSは五月から、日本を含む世界八都市でスタジアムツアーを始める。九万人収容の英ロンドン・ウェンブリーをはじめ欧米公演は全公演が即日完売し、追加公演も決まった。

 一方、六月に韓国のソウルと釜山で開かれるファンミーティングの会場は各一万五千席ほど。コンサートではないが、海外ファンも訪れるとみられるだけにかなり少ない印象だ。メンバーの一人は動画配信サイトで、国体行事と日程が重なり、大きな会場が使えなかったことをほのめかした。

 ソウル市が二〇二四年オープンを目指して整備を進める「ソウルアリーナ」の金順洙(キムスンス)チーム長によると、市内にはコンサートに使われる五千席以上の会場が蚕室(チャムシル)主競技場(七万席弱)、高尺(コチョク)スカイドーム(二万五千席)など六カ所あるが、体育施設のため使用はスポーツが優先される。

 舞台設置に費用と時間がかかるほか、制約が多いため思うような機材を使えず、公演を見送った海外大物アーティストもいたと内情を話す。

 会場不足には、近年まで大人数を集客できる国内歌手やグループが少なかったという理由もある。しかし〇八年に二兆六千億ウォン(約二千六百億円)だった韓国内の音楽産業の売上高は一七年に五兆七千億ウォンと十年間で二倍以上に。BTSを目当てに訪韓する観光客は年間八十万人に上るとされ、BTS以外にもチケットが即時完売するグループは少なくない。音楽産業は大きく変わってきている。

 ソウル市北部の道峰(トボン)区に建設される「ソウルアリーナ」は横浜アリーナより少し多い一万八千四百席。室内なので天気に左右されず、舞台設置などで利便性は大きく高まる。市が所有権を持ち、三十年間の運用と引き換えに民間事業者が総事業費約五千二百億ウォンを投資する。大手芸能事務所も参画予定で映画館やK−POP展示館が併設される。

 事業を担当する市の姜景求(カンギョング)主務官は「地域がK−POPで活性化され、アリーナがK−POPの発展につながる相乗効果を生み出せたら」と期待する。

 ソウル郊外の仁川(インチョン)国際空港近隣でもコンサート専用施設の建設計画がある。

 各国の公演施設に詳しい建国大の金元中(キムウォンジュン)兼任教授は「シンガポールや香港は文化都市として観光客を呼び込む政策で計画的に整備してきた。韓国も観光活性化の戦略商品として施設とソフトの整備が必要」と指摘する。

 

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