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【国際】

北労働者の帰国前倒し 6月末までに 中国要求、米配慮か

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 【北京=城内康伸】中国政府が三月初旬、国内に北朝鮮から派遣されている労働者について、六月末までに帰国させるよう、雇用する中国企業などに求めていたことが分かった。複数の外交筋が明らかにした。国連安全保障理事会が北朝鮮に対する制裁決議で定める十二月の送還期限を、独自に繰り上げた形。制裁の確実な履行を要求する米国との間で貿易摩擦を抱えていることが、背景にあるとみられる。

 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は今週、ロシアを初訪問し、プーチン大統領と会談する。米国を強く意識する中国への経済面での依存から脱するため、ロシアと経済強化を図りたい思惑もありそうだ。

 国連安保理は二〇一七年十二月に採択した制裁決議で、北朝鮮が外貨獲得源として海外に派遣した出稼ぎ労働者を、二年以内に送還させるよう定めた。中国が送還期限を約六カ月前倒ししたことについて、外交筋は「米国との貿易協議を意識しているはずだ」と指摘する。

 別の北朝鮮消息筋によると、北朝鮮は三月上旬、中国で活動する人民軍系列の複数の貿易会社に六月までに撤収するよう指示を出したという。消息筋は「(中国の期限繰り上げと)関連した動きだろう」と話している。

 ただ、中国は段階的に送還期限を定めており、今回も全ての派遣労働者を対象にしたものではない、との見方もある。北朝鮮との国境都市、中国遼寧省丹東(りょうねいしょうたんとう)市の消息筋によると、同市の通関施設では連日、工場や北朝鮮食堂で働いていた北朝鮮に帰国する女性でごった返しているという。

 安保理は三月までに制裁決議採択から一年が経過した時点の送還状況を知らせる中間報告書を提出するよう加盟国に要請。ロイター通信によると、中国は人数を明示せず、「半数超」と報告した。

 中国外務省の耿爽(こうそう)副報道局長は同月二十六日の記者会見で、「中国は制裁決議を一貫して、誠実かつ厳格に履行している」と強調している。

 

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