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【国際】

中国主導ダム ミャンマー住民反対 スー・チー氏、結論明言せず

建設凍結中のミャンマー北部カチン州・ミッソンダム計画地=2015年10月撮影

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 中国が37カ国の首脳らを迎えて北京で25日から開く巨大経済圏構想「一帯一路」の国際会議を前に、ミャンマーでは中国主導の水力発電ダム「ミッソンダム」計画の行方が注視されている。住民の反対で建設は凍結中だが、アウン・サン・スー・チー国家顧問は結論を明言せず、少数民族問題などで協力を得たい中国への配慮が浮かぶ。スー・チー氏は24日、会議出席のため訪中し、習近平国家主席と会談した。ダム反対派住民は神経をとがらせている。 (バンコク支局・北川成史)

 「ミャンマーは一帯一路を支持している」。スー・チー氏は会談で、両国の関係を「運命共同体」と表した習氏に友好を強調した。

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 一方、ミャンマー北部カチン州では、スー・チー氏訪中直前の二十二日、数千人がデモに参加し、「ミッソンダムはいらない」と声を上げた。

 ダムは二〇〇九年、当時のミャンマー軍政と中国企業が契約し、同州のイラワジ川上流で着工した。建設費は三十六億ドル(約四千億円)。発電量は六百万キロワットで、電力の九割を中国に輸出する取り決めだった。

 だが、民政移管後の一一年、ミャンマーを縦断する大河の環境保護を求める声が高まり、当時のテイン・セイン大統領は任期中の建設凍結を表明。スー・チー氏も建設反対の立場だった。

 ところが、一六年に政権に就いた後は態度を明確にせず、今年三月には、建設を「もっと広い視野で考えて」と国民に促す発言をし、中国の圧力で賛成に転じたのではと波紋を広げた。

 中国に配慮する背景の一つは、イスラム教徒少数民族ロヒンギャ迫害問題を巡る国際的批判の高まりだ。

 国連安全保障理事会での非難決議は中国の反発で回避された。外国投資や来訪観光客数への悪影響が見える中でも、中国は一帯一路の重要拠点のミャンマーで、港湾や鉄道などインフラ整備に積極姿勢を示す。

 スー・チー氏が最重要課題に掲げる少数民族との和平でも、国境沿いを中心に少数民族に影響力を持つ中国の協力は欠かせない。

 ただ、ミャンマーは総選挙を来年に控える。スー・チー氏がダム建設再開にかじを切れば、与党の支持低下を招く可能性がある。

 

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