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【国際】

習氏、国際社会の支持演出 「一帯一路」会議 150カ国参加

26日、北京で中国が掲げる巨大経済圏構想「一帯一路」をテーマにした国際会議の開幕式=共同

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 中国の習近平(しゅうきんぺい)政権は北京に約百五十カ国の代表団を集めた国際会議で、経済圏構想「一帯一路」に対する国際社会の支持を演出した。一方で、一帯一路を通じて中国が途上国への影響力を強めているとの警戒が解けたとは言いがたい。習政権は世界各地で軌道修正を迫られながら、看板政策の維持に腐心している。 (北京・中沢穣、バンコク・山上隆之)

▼明言

 「一帯一路を支持する。一帯一路はわが国に恩恵をもたらすと確信する」。マレーシアのマハティール首相(93)は二十六日の演説で、一帯一路への支持を明言した。二十五日には一帯一路の融資が不透明であることなどを批判してきた国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事も関連会合で「一帯一路は各国の発展に対応している」と持ち上げた。

 習氏は二十六日の演説で「一帯一路が世界各国の発展に新たな機会を提供したことは、事実が証明している」と胸を張った。

 だが各国からの支持獲得は一筋縄では行かなかった。会議が目前に迫った四月十二日、中国とマレーシアは、中止していた東海岸鉄道計画の再開でようやく合意した。マハティール氏が昨年七月に工事中止を命じてから九カ月にわたる再交渉の末だった。

 マハティール氏は、中国への融資返済が重荷になる可能性を懸念したほか、中国の融資で中国企業が工事し、作業員も中国人という中国主導ぶりに不快感を示した。地元企業への恩恵に乏しいとして「新植民地主義」などと痛烈に批判。鉄道計画を一帯一路の旗艦事業と位置付ける中国には打撃となった。

▼譲歩

 再交渉の結果、マレーシア側は、総工費を当初の三分の二となる四百四十億リンギット(約一兆一千九百億円)に圧縮させることに成功。地元企業の受注拡大も勝ち取った。マレーシア紙スター(電子版)は「(中国と結んだ)不公平な条件の改善を求める他国のモデルケースになる」としている。

 中国が防戦一方だったわけではない。そもそもマレーシアが実際に計画を中止すれば、中国は二百十七億リンギット(約五千八百億円)の違約金を払わせることができた。マレーシア情勢に詳しい小野沢純・元拓殖大教授は「マレーシアの選択肢は継続しかなかった」と話す。中国の投資や経済支援は不可欠であり、「マハティール氏は相手国を植民地化するような中国のやり方に文句を言っていただけ。習氏への配慮を忘れず、譲歩を引き出した」と指摘する。

▼改善

 中国側にとっても、譲歩は柔軟姿勢のアピールにつながる。地元に利益をもたらさないとの批判に対し、習氏は演説で「恩恵が相手国の人々に広く及ぶようにしたい」と訴えた。

 中国人民大学重陽金融研究院の王義〓(おうぎき)高級研究員は「債務問題などの批判は中国にとってもよい刺激だ。(一帯一路など)新しいものにリスクはつきもので、中国も常に対話を通じて改善を図るべきだ」と訴えた。

※〓は木へんに危

 

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