東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 紙面から > 4月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

潜伏IS系、対応に苦慮 スリランカのテロから1週間 捜索中に銃撃戦、15人死亡

 【コロンボ=共同】スリランカ連続爆破テロから二十八日で一週間。内戦終結から十年となり、治安が比較的安定した島国で突然起きたテロは、中東で支配地域を失った過激派組織「イスラム国」(IS)の思想に染まったテロリストがどこにでも潜む現実を突き付けた。当局は全容解明に向け地元過激派の捜査を続けているが、武装グループとの銃撃戦も発生し、対応に苦慮している。

 二十一日に起きたテロでは、最大都市コロンボの高級ホテル三カ所とコロンボなどの教会三カ所が主な標的となった。保健省によると、死者は計二百五十三人。日本人も巻き込まれ、現地在住の高橋香さん(39)が死亡、高橋さんの夫(39)ら四人が負傷した。

 当局は自爆テロ犯九人のうち八人を特定。地元イスラム過激派「ナショナル・タウヒード・ジャマア(NTJ)」のリーダーで、シャングリラホテルで自爆した男、ザフラン・ハシム容疑者が首謀者とみている。ISも犯行声明を出した。

 シリセナ大統領は非常事態宣言を発令、令状なしでの身柄拘束を可能にして軍や警察の権限を拡大した。夜間外出禁止令も連日出ている。シリセナ氏は「ISとつながりを持つスリランカ人は百四十人」との情報を明らかにし、治安当局が全土で過激派拠点を強制捜査して武器を押収、少なくとも七十六人を拘束した。

 二十六日には同国東部での捜索中に武装グループと銃撃戦になり、その後メンバーが自爆。十五人が死亡した。インターネットで公開された実行犯とみられる男らの映像の撮影場所では、自爆用ベストも見つかった。

 治安当局は事前にインドから詳しいテロ情報を得ていながら阻止できなかったと批判を浴びており、国防次官が引責辞任した。昨年から続くシリセナ氏とウィクラマシンハ首相の政治対立が、情報共有を妨げた原因とも指摘されている。

 市民生活への影響も大きい。さらなるテロや内戦以来となる宗教対立の再燃を恐れ、教会や寺院への訪問を控える市民は多い。コロンボでは閉めたままの商店が目立つ。日本など各国は不要不急の渡航を控えるよう呼び掛けている。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報