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【国際】

スペイン総選挙 与党・中道左派が第1党

28日、マドリードで、支持者にあいさつするスペインのサンチェス首相(中央)=ゲッティ・共同

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 【パリ=竹田佳彦】スペイン総選挙は二十八日投開票され、下院(定数三五〇)で少数与党の中道左派・社会労働党(PSOE)が第一党になった。一方、新興の極右政党ボックス(VOX)が初めて議席を獲得し、国内の分断があらわになった。投票率は二〇一六年の前回比9・2ポイント増の75・7%。

 内務省が公表した暫定結果(開票率99・9%)によると、PSOEは八十五議席から百二十三議席に大幅増。ただ、急進左派ポデモス連合は七十一議席から四十二議席に減らし、左派二党の合計では九増にとどまった。

 PSOEは、北東部カタルーニャ自治州の独立を断固拒否しつつ、対話を進めてきた。アフリカから流入する移民問題では、欧州連合(EU)と協力して対応しており一定の評価を得た。サンチェス首相は「スペインに堅固で上質な民主主義があることを示した」と勝利宣言した。

 ポデモス連合は、左派政権発足に向けてPSOEと連立交渉に意欲を見せている。カタルーニャ独立派など少数政党との協議次第では、不安定な政局が続いたスペイン政治が安定に向かう可能性がある。

 右派は野党ながら第一党だった国民党が、党が絡む汚職事件の影響で百三十七議席から六十六議席に半減。一方で新興右派のシウダダノスは二十五増の五十七議席、VOXは二十四議席で、右派支持者が割れた格好だ。VOXのアバスカル党首は選挙結果を受けて、支持者に「始まりにすぎない。スペインのために前進し続ける」と強調した。

◆極右、独立問題の不満吸収

 【パリ=竹田佳彦】スペイン総選挙の下院で初議席を得た極右ボックス(VOX)は、二〇一三年に誕生した新興政党だ。アバスカル党首は二十八日深夜、スペイン国旗がはためく中で支持者を前に「レジスタンス(抵抗運動)だ」と声を張り上げた。会場からは「万歳」のほか「国の裏切り者を許すな」と、カタルーニャ自治州の独立運動に反発する声が上がった。

 VOXは、中道右派・国民党の分離独立派対応が不十分などとして離党した党員らが結成。国家の一体性を訴え、「スペインを再び偉大に」との主張はトランプ米大統領の自国中心主義と重なる。

 スペインは一九七五年に死去したフランコ独裁体制への拒否感から、伝統的に移民に寛容で極右政党が台頭してこなかった。VOXの得票率は一六年の前回総選挙で0・2%(得票数四万七千程度)だったが、今回は10・2%(二百六十七万)に急拡大した。

 スペインでは昨年六月以降、アフリカから流入する難民・移民が急増。イタリア政府が地中海上で救助された難民らの受け入れを拒否したことで、流入経路が変わったとされる。VOXは不法移民の強制送還を訴えたほか、カタルーニャ独立問題は国家の一体性に対する危機とあおり支持を広げた。

 欧州ではフランスの「国民連合(国民戦線から改称)」やイタリアの「同盟」などの極右政党や欧州連合(EU)懐疑主義勢力が支持を伸ばす。五月末の欧州議会選ではこうした勢力による新会派の結成へ連携を深める動きもある。

 ただ、VOXの伸長が欧州議会選にどこまで影響するかは未知数だ。スペイン総選挙では国民党が大幅に減らすなど右派全体の得票数は微増にとどまったからだ。主要紙ムンドは「国民党が再建に失敗したことが影響した」と分析した。

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