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【国際】

イラン原油 全面禁輸 米、核合意前の制裁復活

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 【カイロ=奥田哲平】トランプ米政権は二日、イラン核合意離脱に伴う経済制裁の一環として、イラン産原油の全面禁輸措置を始めた。イランの主要財源を断ち、弾道ミサイル開発停止などの政策転換を迫る。核合意前の制裁を完全復活させた米国に対し、経済低迷に陥るイランが軍事的緊張を高めるか、直接交渉に乗り出すかが今後の焦点だ。

 米国は昨年五月、二〇一五年に結んだイラン核合意を離脱。イラン産原油禁輸を再発動し、日本を含む八カ国・地域に認めてきた百八十日間の適用除外措置も先月下旬に撤廃を決めた。企業がイランから原油購入を続ければ制裁違反となりドル資金決済ができなくなるほか、米国市場から締め出される可能性がある。

 ロイター通信によると、イラン産原油輸出量は四月時点で日量百万バレルで、制裁発動前の半分以下に減少している。国家予算の三割を占める石油輸出がゼロになれば、財政難に陥る可能性がある。

 原油供給の不安定化は相場の上昇傾向を高める恐れがあり、日本などでガソリン価格がさらに上昇する一因となりかねない。

 イランのロウハニ大統領は先月三十日、「誤った決定だ。別の輸出ルートを見つける」と制裁回避を模索。昨年十月に創設した石油取引所での直接販売や洋上で積み荷を移し替える「瀬取り」などで対抗するとみられる。原油輸送の大動脈ホルムズ海峡の封鎖に踏み切るともけん制する。

 エジプトの独立研究機関「アラブフォーラム」のモハメド・アブヌール代表は「オマーンを仲介国に米国とイランが交渉したとの情報がある」と述べ、穏健派のロウハニ政権は譲歩する余地があるとみる。ただ、保守強硬派には「現状での交渉は降伏だ」との声が根強く、イラン体制内の路線対立も激しくなりそうだ。

 一方、中国やインド、トルコの大口取引先は禁輸に反発しており、これらの国々が米制裁に全面的に従わなければ、米国との新たな火種が生じかねない。

 

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