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【国際】

離脱混乱、いら立つ民意 与党惨敗、最大野党も議席減 英地方選

3日、地方選で惨敗後、英北部スコットランド・アバディーンで演説するメイ英首相=ゲッティ・共同

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 【ロンドン=藤沢有哉】英国イングランドと北アイルランドで二日に行われた地方議会選挙のうち、イングランドでは与党・保守党が改選前から議席を三割近く減らして惨敗した。欧州連合(EU)離脱問題の行き詰まりに対し有権者の不満が鮮明になった。メイ首相のさらなる求心力低下は必至で、責任論が高まる可能性がある。

 「なぜ辞任しないんだ? われわれは望んでいる」

 各地で開票作業が続いていた三日午後、ウェールズでの党協議会で演壇に立ったメイ氏は聴衆からやじを浴びた。一瞬顔をしかめたが、「選挙結果はEU離脱を急いで実現しろという(有権者の)メッセージだ」と強調。英下院で否決が繰り返されるEUとの離脱合意案を成立させる意欲を改めて示した。

 イングランドの地方議会選は二百四十八議会であり、総改選議席は八千四百超。六つの市長選と北アイルランドの十一の地方議会選とともに行われた。

 英メディアによると、保守党は改選前から約千三百議席減の三千五百議席超に落ち込んだ。同党と新たな離脱方針を協議する最大野党の労働党も約二千議席に微減。二大政党がEU残留派、離脱派の有権者双方から支持を失った一方、自由民主党と緑の党の小政党や無所属系が大幅に議席を増やした。

 マンチェスター大のロバート・フォード教授(政治学)はメイ政権への影響について、「何とかして離脱問題を早く解決しろという党内圧力が増すだろう」と予測。党内の強硬離脱派からは既に「有権者は離脱計画を失敗と見なした。首相を代える時だ」との声も上がっている。

 EU離脱期日が十月末に再延期されたが、合意案が五月二十二日までに成立しなかった場合、英国が経済的な混乱を招く「合意なき離脱」を避けるには翌二十三日からのEU欧州議会選への参加が必須。選挙にはEU離脱支持派、残留支持派それぞれの新政党が参戦する予定だ。

 地方議会選は欧州議会選の前哨戦と位置付けられており、ニューカッスル大のアリスター・クラーク准教授(政治学)は「地方選よりもEU離脱問題に焦点が当たる選挙になる。保守党は新政党にも票を奪われるだろう」と予測した。

 

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