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【国際】

文大統領、多難の3年目 韓国成長率 最低水準

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 【ソウル=中村彰宏】韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は十日、就任から二年を迎えた。経済失速に歯止めがかからず、南北融和も米朝会談の決裂で土台が揺らぐなか、支持率は政権発足当初の80%超から40%台まで降下。過去最悪と言われる日韓関係にも改善の兆しは見えず、国内外に難題を抱えたまま三年目に入った。

 韓国大統領府は十日、政権の歩みを振り返る「文在寅大統領の二年」と題したサイトを開設。南北首脳会談など成果のアピールに必死だが、国民の視線は厳しい。韓国ギャラップが同日発表した世論調査では支持は47%。就任二年では金大中(キムデジュン)大統領に次ぐ数字だが、昨年四月の南北首脳会談直後は80%に迫る勢いだっただけに下落が目立つ。

 今年一〜三月期の国内総生産(GDP)は、ここ十年で最低水準となる前年同期比0・3%減のマイナス成長に転落。若者の就職難や貧富の格差拡大など経済の課題は山積しており、「政権は成し遂げたものがないまま自画自賛している」(朝鮮日報)、「改める政策はただちに改めなければならない」(中央日報)など、韓国メディアでは経済政策の失敗を指摘する論調が相次いだ。

 外交も頼みの綱の南北関係にほころびが見え、日韓関係は冷え込む。文氏は九日、生出演したテレビ番組で、六月に大阪で開かれる二十カ国・地域(G20)首脳会議で安倍晋三首相と「会談ができればいい」と意欲を示した。日韓関係を「未来志向的に進めなければならない」としながら、元徴用工訴訟については「日本の指導者が国内政治に利用している」と不満をあらわにした。

 訴訟をめぐっては、原告側が日本企業の資産現金化に着手。日本政府が対抗措置も検討する中、文氏は「司法の判断を尊重する」との立場で、韓国政府は対応策を打ち出せていない。

 韓国では来春に総選挙を控え、最大野党の自由韓国党は「経済は崩壊し、外交水準は底に落ちた」と批判を強める。任期五年の韓国大統領に再選はなく、明知(ミョンジ)大の金亨俊(キムヒョンジュン)教授は「経済政策を根本から変え、国民が体感できる成果を出さなければならない。歴代の大統領のように政権終盤は、転落する恐れがある」と懸念する。

 

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