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【国際】

期待は失望に マクロン氏試練 大統領就任2年 支持率32%

パリで4日、25週連続で実施された黄色いベスト運動のデモ=AP・共同

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 【パリ=竹田佳彦】フランスのマクロン大統領は十四日、就任二年を迎えた。当選直後の期待はしぼみ、全国で毎週末に反政権デモ「黄色いベスト運動」が続く。一年目に断行した労働法改正などの改革で海外の対仏投資が伸びるなど一定の成果は出つつあるが、国民の実感は乏しい。

 マクロン氏は四月、国民の生活支援策として所得税減税や公務員の削減撤回などを発表した。昨年から続くデモを受けて、「人々の声に耳を傾けず傲慢(ごうまん)だ」との批判に応える狙いだ。

 しかし調査会社BVAが九日に公表した世論調査によると、支持率は32%で当選直後の62%から半減、一年前から13ポイント下げた。デモ参加者は発表された支援策が「生活レベル向上にはつながらない」と批判。仏メディアも「国民に失望感」と手厳しい。

 デモには最大で約二十九万人が参加し、参加者に紛れ込んだいわゆる「壊し屋」による店舗の破壊や略奪行為も起きた。ただ政権への不満の根深さを背景に、国民の六割以上が暴力的な行為にも一定の理解を示す。

 政権では昨年七月、大統領警護責任者の男がデモ参加者に暴行した事件を皮切りに、大統領府の法令順守が問われる疑惑が相次ぎ発覚。八月以降は政権に失望した人気閣僚のユロ環境相や最側近のコロン内相も去り、逆風が吹いた。

 得意の外交でも苦戦が続く。主導権を握りたい欧州連合(EU)の改革議論は、英国の離脱協議が迷走して進まない。イラン核合意では、離脱表明したトランプ米大統領との溝が深い。世界でのフランスの役割について「満足」と考える国民は三割程度にすぎない。

 一方、一年目に進めた労働法改正や資産への課税見直しなど「大企業や富裕層寄り」と批判される改革で成果は出つつある。仏機関の調査によると、外国投資家による二〇一九年一〜三月期の対仏投資決定数は前年同期比で20%増だった。

 パリ政治学院のリュック・ルバン教授は「改革は着実に前進しているが、生活に結び付く退職金制度や反発が大きい公務員制度などの大改革が待ち受ける」と指摘。マクロン氏の試練はまだまだ続くとの認識を示した。

 

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