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【国際】

米保守 中絶禁止へ動き加速 アラバマ州の法成立波紋

 【ワシントン=岩田仲弘、ニューヨーク=赤川肇】米南部アラバマ州で、性的暴行や近親相姦(そうかん)による妊娠も含めて人工中絶をほぼ全面的に禁止する法案が十五日に成立し、全米に波紋を広げている。今年に入り、共和党が議会を主導する州で中絶制限の動きが加速。人権団体や民主党は、女性の自由と権利を侵害しているとして強く反発し、来年の大統領選に向け、賛否を巡る議論が広がりそうだ。

 アラバマ州で成立したのは「人命保護法」。母体に危険がある場合を除き、妊娠期間を問わず中絶を重罪と位置付ける。中絶した女性は罪に問われないが、手術をした医師に最長で九十九年の禁錮刑を科す全米で最も厳しい内容で、中絶の権利を認めた一九七三年の連邦最高裁判例に抵触する。半年以内に施行される予定だ。

 ロイター通信によると、中絶を制限する法案は今年に入り、十六州の州議会で提案された。このうち、オハイオ、ジョージア、ケンタッキー、ミシシッピの四州では、胎児の心拍が確認できるとされる妊娠六週の時点で中絶を禁止する法律が成立。AP通信によると、ミズーリ州でも十七日、妊娠八週時点で中絶を禁止する法案が議会を通過した。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、州議会のこうした動きは、最高裁で昨年秋、トランプ大統領の指名により、中絶に否定的なカバノー判事が就任し、保守派が多数派を占めたことで加速した。中絶反対派には、保守派が多数を占めているうちに法廷闘争に持ち込み、判例の変更を促す狙いがある。

 タイムズ紙によると、二〇年大統領選の民主党候補は、アラバマ州の立法措置を「危険で非常にむごい」(エリザベス・ウォーレン上院議員)、「女性の健康が攻撃の的となり、看過できない」(カマラ・ハリス上院議員)などと相次いで批判。コリー・ブッカー上院議員は「大統領に就任したら、たとえ最高裁が現行の判例を覆しても、中絶の憲法を守る連邦法を成立させる」との考えを示した。

 

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