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【国際】

「ユンケル後」駆け引き 23日から欧州議会選

 【ベルリン=近藤晶】二十三日から始まる欧州連合(EU)の欧州議会選挙(定数七五一)は、EU主要機関の次期トップ人事にも影響を与える。最大の焦点は、EUの「首相」にあたるユンケル欧州委員長の後任。EUのかじ取りを担う最重要ポストだけに、人選を巡る駆け引きが熱を帯びてきた。

 「次の欧州委は、われわれが欧州人として共に成し遂げられることを世界に示すための新たな出発点にしたい」。十五日にブリュッセルで行われた欧州議会主要六会派の「筆頭候補」による討論会。最大会派の中道右派、欧州人民党(EPP)のマンフレート・ウェーバー欧州議員=ドイツ出身=は訴えた。

 前回二〇一四年の欧州議会選から、主要会派は欧州委員長に推す「筆頭候補」を擁立。EU首脳会議は選挙結果を考慮して委員長候補を欧州議会に提案し、議会が承認する。前回、最大会派となったEPPが擁立したのが、ルクセンブルクの首相を十八年余り務めたユンケル氏だった。

 EPPは今回も最大会派を維持する見通し。現時点ではウェーバー氏が次期委員長の最有力候補とみられる。ただ歴代委員長の多くは、出身国の首相や主要閣僚の経験者。独バイエルン州議会議員から欧州議員に転じたウェーバー氏は経験や知名度の低さが不安視されている。反EUを掲げるハンガリーのオルバン首相と近いことも懸念材料だ。

 EU改革を推進したいフランスのマクロン大統領は九日の非公式EU首脳会議で「われわれには最善のリーダーが必要だ。筆頭候補の原則には縛られない」と主張。オランダやルクセンブルク、ベルギーの首相も同調する姿勢を示した。ドイツのメルケル首相は自身の与党がEPPに参加しており、ウェーバー氏支持の立場。だが、十六日付の独紙インタビューでは筆頭候補制度に「懐疑的な見方をしてきた」とも述べた。

 選挙戦はEU懐疑派勢力の台頭が見込まれ、二大会派は過半数を割り込む見通し。委員長の議会承認には過半数が必要なため、幅広い支持が得られる人選が求められる。筆頭候補以外では、欧州委のベステアー競争政策担当欧州委員(デンマーク出身)や英離脱問題を担当するバルニエ首席交渉官(フランス出身)の名前が挙がっている。

 EUのトゥスク大統領は人選について「六月までに合意を得たい」としており、欧州議会選後の二十八日に行われる臨時首脳会議で議論が本格化する見通しだ。

 

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