東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 紙面から > 5月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

内憂外患、笑いなき船出 ウクライナ大統領、就任式で議会解散宣言

20日、ウクライナの首都キエフの最高会議で行われた大統領就任式で演説するゼレンスキー新大統領=タス・共同

写真

 【モスクワ=栗田晃】ウクライナ大統領選で当選したコメディアンのゼレンスキー氏(41)の就任式が二十日、キエフの最高会議(議会)で開かれた。政治経験のない清新さで支持を得たが、汚職や経済対策が求められる内政、対ロシア関係の方針が問われる外交など難題が山積。ゼレンスキー氏は議会の解散を宣言し、人心一新に着手した。

 人気ドラマで大統領役を演じた知名度を生かし、四月の大統領選で、現職のポロシェンコ大統領に圧勝したゼレンスキー氏。就任演説では「われわれは一丸となってこそ強くなる」と幅広い勢力の団結を訴えた。

 ゼレンスキー氏は自身の政党も創設したが、十月の議会選までは議席がない。このため国民の支持を背景に議会選を前倒しし、多数派形成に照準を合わせた形だ。閣僚人事の承認権も握る議会はポロシェンコ氏が率いる政党が最大勢力で、既成勢力への対応が注目されていた。

 ゼレンスキー氏は「これまで国民を笑わせることに全力を注いできたが、今後(任期の)五年間は泣かせないようにする」と約束。現閣僚の辞職と議員の不逮捕特権を剥奪する法改正を求めるなど、対決姿勢を打ち出した。

 さらに政府軍と東部一部地域を実効支配する親ロシア派武装勢力との紛争停止を「最優先課題」と強調。ロシアと対話の用意があるとして、まず捕虜解放に取り組み、最終的にはロシアが併合したクリミア半島や親ロ派支配地域の奪還に意欲を示した。

 一方、就任式には米国や欧州連合(EU)、日本などが招待されたが、ロシアの出席者はなし。ロシアは四月末から親ロ派地域の住民にロシア国籍付与を開始して、揺さぶりをかけている。ペスコフ大統領報道官は二十日、タス通信に「結果がない限り、プーチン大統領も『就任おめでとう』とは言わない」と述べ、ウクライナの妥協を促した。

 ウクライナの政治評論家ポグレビンスキー氏は、内政、外交とも早急な成果は難しいとしつつも、「政権の完全な刷新のため、自分が選ばれたのだというメッセージが込められていた」と演説を評価した。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報