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【国際】

イラン、米圧力に対抗 低濃縮ウラン生産能力4倍に

8日、イランのメディアに公開された同国中部ナタンズのウラン濃縮施設=イラン原子力庁提供・共同

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 【カイロ=奥田哲平】イラン原子力庁は20日、中部ナタンズにあるウラン濃縮施設で、低濃縮ウランの製造能力を4倍に強化したと発表した。段階的に核活動再開への動きをちらつかせ、欧州などの経済支援を促す狙いだ。一方、湾岸諸国を巻き込んだ米国とイランの軍事的緊張の緩和に向け、仲介を模索する動きが始まった。

 イランのタスニム通信(電子版)によると、原子力庁報道官はナタンズを訪れた記者団に向け、二〇一五年の核合意で定められた低濃縮ウランの保有上限三百キロを「今後数週間で超える」と説明した。ただ、濃縮度3・67%は順守し、遠心分離機の増設には踏み切らなかった。ウランは3%以上で原発用の核燃料になり、90%以上で核兵器に転用できる。核合意前のイランは20%の濃縮ウランを保有していた。

 イランは八日、トランプ米政権の核合意離脱と経済制裁再開への対抗措置として、履行義務の一部を停止すると表明した。核合意存続を求める欧州に対し、イランは石油輸出と銀行分野の取引継続につながる具体的な支援策を要求。七月上旬までにまとまらなければ、3・67%を超えたウラン濃縮を再開すると宣言した。イランは核合意を破棄して国際社会から孤立するのを避けたいのが本音で、報道官は欧州を念頭に「必要な措置を」と強調した。

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 一方、オマーンのアラウィ外務担当相は二十日、イランを訪問し、ザリフ外相と会談した。同国は対岸のイランと貿易が盛んで、米国とも関係が良好。イランのロウハニ大統領に近い改革派系メディアは、オマーンのカブース国王がポンペオ米国務長官と数日前に電話協議し、トランプ大統領の伝言をアラウィ氏がイラン側に伝えたと報じた。

 報道の真偽は不明だが、オマーンは一一年に核合意に向けた両国の水面下の交渉を仲介したとされる。ロウハニ師は二十日、「現在の状況は話し合いに適していない。私たちの選択は抵抗だけだ」と交渉を拒否する姿勢を強調した。

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