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【国際】

ムスリム同胞団 米、テロ指定を検討 エジプト要請 過激化助長懸念も

 【カイロ=奥田哲平】エジプトのシシ大統領の要請を受け、トランプ米政権がエジプト発祥のイスラム主義組織「ムスリム同胞団」のテロ組織指定を検討している。だが、同胞団は穏健的な大衆運動の側面があり、アラブ諸国に関連組織が広がる。専門家は、こうした強硬手段がかえって同胞団メンバーの過激化を助長すると懸念している。

 ロイター通信によると、米ホワイトハウスのサンダース報道官は先月末、同胞団について「テロ組織指定の国内手続きが進みつつある」と述べた。米政権は二〇一七年にも同様に検討したが、指定する根拠がないとして見送っている。今回はシシ氏が四月九日に訪米した際に要請したという。

 一九二八年に創設された同胞団は、イスラム教に基づく社会改革を掲げ、学校や診療所などの福祉活動を通じて支持を拡大。二〇一一年の民主化運動「アラブの春」では組織力を発揮してムバラク政権崩壊の一翼を担い、同胞団出身のモルシ政権が誕生した。しかし、経済政策に失敗。一三年の軍事クーデターを率いたシシ氏は一転して非合法化し、徹底的に弾圧する。

 同胞団は三十日、公式サイトで「穏健かつ平和的な活動を続ける」とする声明を発表した。だが、イスラム主義組織に詳しい評論家カマル・ハビブ氏(エジプト)は「若いメンバーの反米意識が高まり、過激派に勧誘されやすくなる」と指摘。すでにシシ政権の弾圧を受け、過激化した一部が「ハスム運動」として国内で散発的にテロを起こす。

 指定検討の対象範囲は不明だが、アラブ諸国の政治体制に影響する可能性もある。議会第一党で政権運営を担うモロッコの正義発展党やチュニジアのアンナハダ党は、同胞団との関わりが深いとされる。トルコのエルドアン大統領が率いる公正発展党(AKP)も親密な関係だ。AKP報道官は「イスラム世界の安定と人権、自由に関して間違った結果を生む」と批判する。

 

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