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【国際】

「エリート政治、チェコに合わない」 極右政党の日系党首

23日、プラハの下院副議長室で取材に答えるトミオ・オカムラ氏。後方にチェコ国旗があるが、EU旗は外したという

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 ポピュリズム(大衆迎合主義)政党など欧州連合(EU)懐疑派の伸長が予想される欧州議会選は二十四、二十五の両日、チェコで投票が行われた。注目されるのは反移民・反イスラムを掲げる日系のトミオ・オカムラ氏(46)が率いる極右政党「自由と直接民主主義」。フランスやイタリアなどの極右政党と連携し、初の議席獲得を狙っている。 (プラハで、近藤晶、写真も)

 「われわれは親欧州の政治をやっている。親EUの政治とは違う」。下院副議長室で取材に答えたオカムラ氏は日本語で持論を展開した。「EUのエリート政治はチェコ国民の希望に合わない。EU以前の形に戻し、重要政策は各国で決められるようにすべきだ」とEUの統合深化に反対する。

 掲げる政策は、EUから加盟国への権限回復、反移民・反イスラム、そして国民投票など直接民主主義だ。オカムラ氏は「男女を差別するイスラム教はチェコの憲法に違反する」と主張。移民大国ドイツのメルケル首相に子どもがいないことに触れ、「子どもがいる人は、こんな移民政策はできないはずだ。子どもたちの将来が心配になる」と批判した。

 欧州の極右指導者らは欧州議会選に向け、連携をアピールしてきた。投票まで一カ月となった先月二十五日、プラハにフランス「国民連合」のルペン党首やオランダ「自由党」のウィルダース党首らが集結。今月十八日にはイタリア「同盟」党首サルビーニ副首相の地元ミラノにオカムラ氏ら一同が顔をそろえた。

 「私はポピュリスト。でも差別主義者ではない」と語ったオカムラ氏。プラハ市内で聞いてみると「私たちの声に耳を傾けてくれる」「人間的で正直」と評価する声がある一方、「移民に不寛容」「発言が過激で差別的」との懸念も。昨年の内務省報告書では「人種や民族間の憎悪を増幅させている」と指摘された。

 オカムラ氏と同時期にチェコ上院議員を務め、欧州議会の最大会派、中道右派「欧州人民党」に所属するヤロミール・シュテティナ議員(76)は「彼はEUがチェコを危険にさらすといった誤った情報を流している」と、その政治手法を批判した。

<トミオ・オカムラ氏> 1972年、東京生まれ。日本人の父とチェコ人の母を持ち、父方の祖父は朝鮮半島出身。5歳でチェコに渡り、18〜21歳は日本で生活、その後再びチェコへ。日本人向けの旅行会社などの事業で成功し、テレビ出演で有名に。2012年の上院選で初当選。13年に直接民主主義を訴える政党を設立した。下院にくら替えした17年の下院選で第3党に躍進。現在は下院副議長。

 

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