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【国際】

英国の分断、明白 「代理国民投票」の欧州議会選

 【ロンドン=沢田千秋】英国での欧州議会選挙は、EU離脱を問う「代理国民投票」と位置付けられた。党派別にみると、新興の離脱勢力が圧勝し、EU離脱を巡り議会の混乱を招いた保守党、労働党の二大政党は歴史的惨敗を喫した。ただ、各党を離脱、残留派に色分けすると、得票率は拮抗(きっこう)する。有権者が、「離脱」か「残留」かを明確に訴えた党に投票した結果、国の分断が改めて浮き彫りとなった。

 「たとえEUとの合意がなくても期限の十月末に必ず離脱する」。第一党となった離脱党はそう訴え、圧倒的な支持を得た。英独立党と合わせ、EUに懐疑的な両党の英下院(定数六五〇)での議席はゼロだが、欧州議会選では全体の約35%を占めた。

 EUと合意の上での離脱を掲げた保守党の得票は約9%にとどまり、第五党に転落。得票率約14%の労働党とともに、過去最少議席数となった。

 一方、EU残留や再度の国民投票を訴えた自民党、緑の党など残留派の得票率は約40%に達した。緑の党は下院に一議席しかないが、欧州議会選では約12%の支持を集めた。

 今回の選挙結果を、ニューカッスル大のアリスター・クラーク准教授(政治学)は「二大政党から少数政党に投票先が流れていった」と分析する。保守党は離脱審議を進められず袋小路に陥り、従来の支持者のうち離脱派が新興政党に移った。労働党は離脱から再度の国民投票まで党内の方針が分裂し、何がしたいのか有権者には分からず、残留派が少数政党に流れたとみる。

 「欧州議会選は投票率が総選挙や国民投票より低いため、国全体を論じるのは難しいが、はっきり分かったのは、この国の深い分断だ」と指摘した。

 六月から始まる保守党党首選では、合意なき離脱も辞さない候補が有力視され、そもそもEU懐疑派と言われてきた労働党のコービン党首は、再度の国民投票の支持を明言。二大政党の離脱方針は両極端に振れつつある。

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