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【国際】

逃亡犯条例改正を延期 香港政府、撤回はせず

香港中心部の政府庁舎で記者会見する林鄭月娥行政長官=15日(共同)

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 【香港=浅井正智】香港から犯罪容疑者の中国本土への移送を可能にする「逃亡犯条例」改正問題で、香港政府トップの林鄭月娥(りんていげつが)行政長官は十五日、審議の延期を発表した。当初は二十日に立法会(議会)での採決を予定していたが、条例改正に抗議して大規模デモが起きるなど香港社会が揺らぎ、実質審議入りすらできない状態で、譲歩を余儀なくされた格好だ。

 政府本部で記者会見した林鄭氏は、延期の直接の原因について、警官隊が催涙弾やゴム弾を使い八十人近くの負傷者が出た十二日のデモを挙げ、「社会が早急に平穏を取り戻す必要がある」と述べた。

 林鄭氏は「改正についての説明が不足し、市民に懸念や疑惑を与えてしまった」と認めた。「各界の意見を聞き、溝が埋まるまで対話していく」と述べ、改正案を撤回せず、あくまで改正を目指す方針に変わりがないことを強調した。ただ、再提出の時期は明らかにしておらず、事実上の棚上げとみられる。

 条例改正を巡っては、中国に不都合な人物が冤罪(えんざい)にかけられ、中国で不公平な裁判にかけられるとの懸念から、市民の間に怒りの声が高まっていた。

 香港では二〇一四年にも、大規模な民主化デモ「雨傘運動」が起きており、再発を恐れる立法会の親中派議員らからも、方針転換を促す動きが出ていた。

 香港政府の延期決定に、中国外務省の耿爽(こうそう)副報道局長は十五日、「支持し尊重する」との談話を発表。条例改正を強硬に主張していた従来の態度を一変させた。

 今月末の二十カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)を控えた中国政府としても、香港の人権問題が米国の対中カードとして利用され、習近平(しゅうきんぺい)国家主席が批判の矢面に立たされる事態を避けたとみられる。

 

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