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【国際】

親イラン系に圧力 ヒズボラは財政難 米、シーア派武装組織にサイバー攻撃

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 【カイロ=奥田哲平】米国とイランの軍事的緊張が高まる中、米CNNテレビは二十五日、イランによる米無人偵察機の撃墜後に米軍が、イラクやシリアにまたがり活動する親イラン民兵組織に大規模なサイバー攻撃を仕掛けたと伝えた。米国はイランのみならず、中東各地の親イラン系組織を「テロ組織」とみなし、排除を狙って圧力強化に動いており、レバノンのシーア派組織ヒズボラは財政難に陥っている。

 CNNによると、標的となったのはイラク拠点のイスラム教シーア派武装組織。イランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」の支援を受けているとされる。イランはシリア内戦などを通じて勢力を拡大し、レバノンで地中海に達する「シーア派三日月地帯」を確立。米同盟国イスラエルやサウジアラビアが「イランは中東を不安定化させた」と懸念する。

 中でも米国が危険視するのはヒズボラだ。革命防衛隊の指導で設立され、イスラエルと度重なる大規模衝突を繰り返してきた。米国務省のフック・イラン担当特別代表は二十六日、サウジ資本の衛星放送アルアラビーヤに対して「経済制裁によってイランとヒズボラの関係に打撃を与えられた」と成果を強調した。

 ヒズボラは、イランの「先兵」としてシリア内戦やイエメン内戦に戦闘員や軍事顧問を派遣。イランから武器提供や推定年七億ドル(約七百六十億円)の財政支援を受けているとされる。ただ、トランプ米政権の対イラン経済制裁で支援は先細りしているもようだ。

 レバノン大手紙アンナハルのスカンダル・ハシャショウ記者によると、ヒズボラの年間予算70%がイランの財政支援に頼っていたが、イラン通貨リアルが対米ドルで昨年四月より四分の一近くまで下落したため、米ドルで運ばれる財政支援が目減りしている。

 経費削減のため、レバノン国内で借りていた部屋二千室を解約し、戦闘員への給与は分割払いになった。シリアで雇用した現地協力者の契約も打ち切ったという。指導者ナスララ師は今年三月に「抵抗運動への支援」とする寄付を支援者に呼び掛け始めた。

 レバノンの政治評論家ファイズ・アグール氏は「ヒズボラなどの関連組織はイランがつくりあげた財産だ」と指摘。「確かに米制裁は苦しいが、イランが影響力を維持するために見捨てることは絶対にない。ヒズボラはアフリカや南米での商業活動で財源を探している」と話す。

 

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