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【国際】

EUトップ人事 確執続く 臨時首脳会議 きょう再び協議

欧州委員長候補のウェーバー氏(右)とティメルマンス氏(中)=5月15日、ブリュッセルで(ロイター・共同)

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 【ブリュッセル=竹田佳彦】欧州連合(EU)は六月三十日午後、臨時首脳会議を開き、十月末に任期満了となるユンケル欧州委員長の後任ら主要トップ人事を協議した。約十八時間に及ぶ徹夜の協議となったが合意できず、いったん会議を中断した。二日に会議を再開する。

 欧州委員長の選任では、欧州議会選挙(五月二十三〜二十六日)で最大会派を維持した欧州人民党(EPP)の筆頭候補ながら、閣僚経験や知名度が乏しいウェーバー欧州議員にEU主要国が反対。欧州メディアによると、欧州議会議長とする案が出ている。

 一方、欧州議会の第二会派が推す親EUのティメルマンス第一副委員長で合意に迫ったが、東欧の一部の国から異論が出て見送られた。欧州委で「法の支配」を担当し、移民問題や単一市場をめぐり厳しく批判した東欧との確執が、表面化した格好だ。

 代案として他の会派の筆頭候補らにも門戸を広げて議論をした結果、影響力の行使を狙う加盟国や会派の思惑が入り乱れている。フランスのマクロン大統領は一日の会議終了後、記者団に「欧州の公共の利益を守る意識と義務感が欠けていた」と批判した。トップ人事では、十一月末に退任するEU大統領と、十月末の外交安全保障上級代表も協議した。欧州中央銀行(ECB)総裁を加えた四人について、出身国のバランスを踏まえ、男女二人ずつ選ぶ。

◆後任選び なぜ難航 最大会派から自動選出方式 批判

 欧州連合(EU)のかじ取り役を担う欧州委員長の後任選びが難航している。欧州議会選挙(五月二十三〜二十六日)の結果を受けて、加盟国首脳で構成する欧州理事会が候補者を指名するが、異論が相次ぐ状況だ。なぜこれほどこじれているのか。 (パリ支局・竹田佳彦)

 Q そもそも欧州委員長って?

 A EUの執行機関である欧州委員会を束ねる役職で、EUの顔だ。委員会としての政策方針や法案を策定し、交渉力とリーダーシップが求められる。

 Q どうやって選ぶの?

 A 欧州理事会がまず、各国の人口などを踏まえた特定多数決方式で候補者を選び、欧州議会が過半数の賛成で承認する。加盟国と欧州議会双方で支持を得られる人選が必要だ。

 以前は加盟国首脳の協議で選んだが、選考が「密室」で行われ「不透明」との批判を受けて改善を図ってきた。二〇一四年の前回選挙後は、域内住民の意思をより反映するため、最も票を獲得した欧州人民党(EPP)が推す筆頭候補を選んだ。「民主的で透明な方法」との評価がある。

 Q なぜ難航するの?

 A 選考方法の見直し議論と、人選の難しさが障害になっている。

 五月の選挙では過半数を獲得する会派がなく、EU懐疑勢力や環境派の「緑の党」が伸長。EPPは最大会派を維持したが、特定の会派からほぼ自動的に選ぶ方式に批判が出ている。

 フランスのマクロン大統領は「能力」を基準に欧州理が最適な人選をすべきだとの姿勢だ。しかし密室へ逆戻りとの批判があり、加盟国や議会側にも反対が根強い。

 

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