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【国際】

マクロン氏が人事主導 欧州委員長もEU大統領もECB総裁も

 三日間に及ぶマラソン協議の末、二〇一九年末から五年間の欧州連合(EU)を担う顔触れが固まった。交渉過程で見えたのは、終始議論を主導したフランスのマクロン大統領(41)の豪腕と周到さだった。

 欧州委員長の人選について、マクロン氏は「EU基本条約では、欧州議会選挙の結果を考慮するとだけ書いてある」と指摘し、一四年で採用した方式に法的根拠がないと断言。ドイツのメルケル首相の発言力が低下する中、首脳協議という自らの土俵に引きずり込むことに成功した。

 協議では具体的な候補者名の言及を避け、「選任基準は能力だ」「男女バランスが前提」と原則を繰り返すことにとどめた。五月末のEU議会選挙では、EU懐疑勢力や環境派の緑の党が伸長。EUの運営に困難が増す中で、主張は一定の説得力を持った。

 欧州メディアによると、仏語話者のフォンデアライエン独国防相を含む顔触れは、マクロン氏が提案。ドイツ人のウェーバー氏の指名に最後までこだわったメルケル氏だが、腹心の名前を挙げられてついに折れた。

 一方で仏経済紙レゼコーによると、仏政府が重視したのは欧州中央銀行(ECB)総裁のポストだ。英国のEU離脱に伴い、ロンドンに本部があった欧州銀行監督機構(EBA)はパリに移転。欧州の金融センター化をもくろむフランスは、元経済・財務相ラガルド氏の総裁指名に成功した。

 EU大統領には、親EU・改革派として共同戦線を張るベルギーのミシェル首相を押し込むことにも成功したマクロン氏。当面の主導権は盤石とみられるが、一方で協議の迷走はEUの亀裂を印象付ける格好となった。 (パリ支局・竹田佳彦)

 

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