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【国際】

ベネズエラ「超法規的処刑」6800人 国連、即時中止要求

 【ニューヨーク=赤川肇】国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は四日、政情不安と経済危機が続く南米ベネズエラの人権状況に関する報告書を公表した。警察の特殊部隊に抵抗したとして、二〇一八年から一九年五月までの十七カ月間に、少なくとも六千八百五十六人が殺されたと指摘した。殺害の多くは刑事手続きを経ない「超法規的処刑」の疑いがあるとみて、政府に即時中止を求めている。

 報告書によると、特殊部隊に殺害された男性二十人の親族に聞き取り調査したところ、類似の手口で襲撃されたと全員が証言。家に押し入り、女性を裸にさせ、若い男性を家族から引き離して銃殺するほか、家の中に薬物や銃器を仕掛けたり、壁を撃ったりし、犯罪や抵抗の痕跡を偽装するという。

 OHCHRは、反政府運動メンバーなど被害者のプロフィルを根拠に「国民に恐怖心を植え付け、社会統制を維持する道具として、当局が特殊部隊を利用している懸念がある」と強調。犯罪対策の名の下に、弾圧が横行している可能性を示唆した。

 国連によると、ベネズエラ国民の一割を超える四百万人以上が食糧や医療を求めて隣国コロンビアなどに退避。報告書では、食糧配給の際、政権支持者ではない人が排除されているとの証言も紹介し、バチェレ人権高等弁務官(前チリ大統領)は「政府当局が報告書をつぶさに読むよう願う」と訴えた。

 バチェレ氏は六月にベネズエラを訪れ、実権を握るマドゥロ大統領や暫定大統領を名乗る野党指導者のグアイド国会議長らと会談。人権状況の改善と監視のため、OHCHR職員らを国内に常駐させることでマドゥロ政権側と合意した。

 

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