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【国際】

「対話は制裁効果」見方覆す

<解説> 北朝鮮の朝鮮労働党幹部とみられる人物が二〇一七年九月に行った講演の内容は、日米韓などで、これまで支配的だった「北朝鮮が対話に出てきたのは制裁の効果」との見方を覆した形だ。「核保有国」として米国と対等な立場を築いた上で、対米交渉に臨むという戦略を周到に描いていたことがうかがえる。

 核実験や弾道ミサイル発射を受け、国連安全保障理事会が一七年十二月までに相次いで採択した決議に基づく制裁が、北朝鮮経済に深刻な影響を及ぼしていることは、北朝鮮関係者も本紙の取材に対し認めるところだ。しかし、北朝鮮が一八年に入り、対話に乗り出したことについて「それだけ制裁効果が出ているということだと思う」(一八年三月、河野太郎外相)との主張は、本紙が入手した講演会内容を知ると、説得力を失う。むしろ、韓国との対話を経て、米朝首脳会談にこぎ着けたこれまでの経緯を振り返ると、北朝鮮の思惑通りに進んでいるように見える。

 北朝鮮は昨年六月のシンガポールでの米朝首脳会談で、米国から「体制の安全の保証」で合意を取り付けた。講演内容は、平和協定締結や在韓米軍の撤収など要求を高めていく公算が大きいことを予想させる。

 六月末に行われた三回目の米朝首脳会談で、停滞していた米朝非核化協議は再開に向け動きだした。しかし、「核武力の完成」を宣言した北朝鮮に核を完全に放棄させることは、極めて困難な道のりだ。 (城内康伸)

 

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