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【国際】

トルコにロシア製ミサイル 地対空、NATO揺るがす恐れ

 【カイロ=奥田哲平】トルコ国防省は十二日、ロシア製地対空ミサイルシステム、S400の一部が首都アンカラ郊外の空軍基地に到着したことを明らかにした。北大西洋条約機構(NATO)加盟国トルコのS400の導入は、NATOの安全保障体制を揺るがす恐れがあり、米国が反対。経済制裁も検討しており、既に冷え込んでいる米トルコ関係が緊迫しそうだ。

 S400は、高性能レーダーで四百キロ先の航空機や弾道ミサイルなどを迎撃できる最新鋭兵器。NATOは、米国製ステルス戦闘機F35などの軍事機密情報がロシア側に流出するのを警戒する。

 一方、トルコのエルドアン大統領は「自国を守るために必要な措置を講じるだけ」と導入を推進。米国防総省は今月末までにS400の契約を破棄しなければ、トルコへのF35の機体受け渡しや今後の共同開発を停止すると通告している。

 米国とトルコはS400のほかにも、シリアの少数民族クルド人の民兵組織への処遇を巡って対立。トルコは欧米から距離を置き、ロシアに接近してきたが、対米関係悪化をきっかけにした昨夏の通貨危機を受け、景気が低迷している。

 今後の焦点は、S400導入への報復として、米国が対トルコ制裁を発動するかどうかだ。エルドアン氏は六月下旬に大阪で開かれた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)でトランプ米大統領と会談し、「制裁のようなものは何もないと聞いた」と強調。ただ、米政府は制裁の選択肢を排除していないとみられ、制裁が発動されれば、トルコ経済が一段と冷え込むのは確実。エルドアン氏の求心力低下につながりかねない。

◆ロシア報道官、搬入を認める

 【モスクワ=栗田晃】ロシア製の地対空ミサイルシステム、S400のトルコ搬入について、ロシアのペスコフ大統領報道官は十二日、「契約と合意に基づき、厳正に実行されている」と記者団に認めた。

 タス通信によると、ロシアの軍事外交筋は、近日中に必要な装置、部品として第二便を空輸すると説明。今夏終わりごろまでに、百二十発以上のミサイルを含む第三便を船舶で輸送する搬入計画を明らかにした。

 ロシアはこれまで中国、インドへのS400供与で合意。アジアに加え、トルコまで配備網が広がることは、関係が悪化した米国をけん制するためにも大きな意味がある。

 次世代ミサイルのS500開発についても、ロシア国営防衛企業「ロステフ」のチェメゾフ社長は五月、「S500は世界でももっとも近代的なシステムになる。ロシアとトルコはプロジェクトに貢献できる」と発言。今後の兵器開発、生産でもトルコと連携していく意欲を示している。

 

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