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【国際】

9票差、欧州委員長に独前国防相 安定運営の目安届かず

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 【パリ=竹田佳彦】欧州議会は十六日(日本時間十七日)、フランス東部ストラスブールで本会議を開き、欧州連合(EU)のかじ取り役を担う次期欧州委員長に女性として初めて、ドイツのウルズラ・フォンデアライエン前国防相(60)を充てる人事を賛成多数で承認した。任期は十一月から五年間。加盟国の協力を得て、気候変動や移民、米国との通商問題に取り組む。 

 今秋に任期満了を迎えるEUのトップ人事は、欧州委員長のみ欧州議会の承認が必要。欧州委員長はEUの方向性を決める執行機関のトップで、域内の共通ルールとなる法案提出や政策遂行に責任を負う。加盟国首脳で構成する欧州理事会の常任議長であるEU大統領と共にEUを代表する。

 無記名で行われた承認採決は、賛成が三八三票で、過半数の三七四票をわずか九票上回った。安定運営の目安とされる四〇〇票には及ばず、幅広い支持獲得には失敗した。欧州メディアによると、主要会派に所属する一部議員が、加盟国首脳の協議によるフォンデアライエン氏の指名過程に反発して反対票を投じた。

 欧州議会は五月末の選挙でEU懐疑勢力や環境派の「緑の党」が勢力を伸ばし、多極化が進む。フォンデアライエン氏は承認後、団結した強い欧州の建設へ「ともに建設的に働こう」と議員らに呼びかけた。

 承認採決前には、気候変動対策への取り組みを強調。就任後百日で「欧州緑の協定」を提案すると表明した。温室効果ガスの排出を二〇五〇年までに実質ゼロとするほか、欧州投資銀行の一部を環境分野に特化した金融機関に改組する。

 十月末に期日を迎える英国のEU離脱では、状況によってさらなる延長を容認する考えも示した。

 他の人事では、欧州理事会が二日に次期EU大統領としてベルギーのシャルル・ミシェル首相、外交安全保障上級代表にスペインのボレル外相を選任。欧州中央銀行(ECB)総裁には、女性として初めて国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事を充てた。

 

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