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【国際】

中国と欧米諸国、ウイグル自治区巡り二分 欧米・日本は弾圧非難、調査を要求

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 【北京=中沢穣】中国の新疆ウイグル自治区での、イスラム教徒の少数民族ウイグル族などへの人権弾圧を巡り、欧米諸国から批判が高まっている。一方、中国はアジアやアフリカ諸国への影響力を駆使して反論、中国の少数民族政策が国際社会を二分している。

 欧州諸国や日本など主に先進二十二カ国は八日、ウイグル族への中国政府の弾圧を非難する書簡を国連人権理事会に提出。「大規模な身柄拘束と、広範な監視や抑圧」が行われているとして、人権や宗教の自由の尊重、国連などの調査受け入れを要求した。

 人権理事会から脱退した米国も、書簡には署名していないが、圧力を強める。トランプ大統領が十七日、亡命ウイグル族らと面会。ポンペオ国務長官は十八日、「中国は現代で最悪の人権危機の本拠地。(ウイグル族への弾圧は)世紀の汚点だ」と危機感を示した。

 一方、中国と関係の深い三十七カ国は十二日、中国政府を褒めちぎる内容の書簡を人権理事会に出した。自治区では基本的人権が保障されていると強調し「人権分野における中国の特筆すべき成果を称賛する」と持ち上げた。さらに「中国への根拠のない中傷」や「人権問題の政治争点化」に反対を表明した。

 三十七カ国はカンボジアやミャンマーなど親中の国々。このうち十六カ国を占めるアフリカ諸国は、資源輸出やインフラ整備などで中国への依存度が大きい。北朝鮮やロシアなどは、自国の人権問題で欧米の批判を受けている事情もある。

 これを受け、中国外務省の耿爽(こうそう)副報道局長は十五日の定例記者会見で「(三十七カ国の)客観的で公正な立場表明への称賛と感謝」を示した。さらに自治区では三年間もテロが起きていないと自賛した。三十七カ国の書簡は中国の主張をなぞった内容で、中国が友好国を巻き込んで自らの主張を展開した形だ。

 人権理事会は、中国への態度を軸に分裂状態となり、各地の人権侵害事案に有効な手だてを打てなくなる恐れもある。

 

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