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【国際】

英保守党首、あす選出 反EU ジョンソン氏勢い

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 英国の新首相を決める保守党党首選の結果が二十三日、発表される。欧州連合(EU)離脱の混乱で、国際的信用を失いつつある英国の、EUや米国との距離感、立ち位置が明確となりそうだ。全方位外交で協調路線を模索するハント外相に対し、反EU、親米路線のジョンソン前外相が圧倒的な支持を集める。 (ロンドン・沢田千秋)

■合意なき離脱

 二人は全国十六カ所で党員向け演説会を開催。最大の論点はEU離脱期限の十月末に、社会、経済の混乱を招く「合意なき離脱」に踏み切るか否かだった。

 「合意なき離脱の準備はできている」。ジョンソン氏は、十月末の離脱を「最優先事項」とし、反対する議会を抑えるため閉会すらちらつかせる。離脱時に支払うEUへの清算金三百九十億ポンド(約五兆二千四百億円)の見直しにも言及。EUをあおり、党員からは喝采を浴びた。

 ハント氏は「二人の離脱方針に大差はない」と、ジョンソン氏に傾く党員に訴えたが、議会の反発を理由に、十月末の離脱を確約するかには「慎重だ」と中途半端に終始。「起業家であり有能な交渉者」である自身がEUと交渉することが最善策として、EUとの関係構築を重視してきた。

■対照的な対応

 選挙中に起きた、英国のダロック前駐米大使の外交公電漏えい事件の対応でも二人は対照的だった。極秘文書で「無能」「機能不全」などと、こき下ろされたトランプ米大統領は怒り心頭で、前大使だけでなくメイ英首相も侮辱した。

 ハント氏は「わが国の首相に対し無礼だ」と反論。ダロック氏を今年末の任期まで続投させると明言した。対するジョンソン氏はコメントを避け続け、ダロック氏は自ら辞任した。

 親EU派で知られたダロック氏の失脚とハント氏が監督する外務省の不祥事は、ジョンソン氏に有利に働いたとされる。英政界では漏えい元を同氏陣営と疑う向きがある中、ロンドン警視庁が捜査に着手した。

■勝負あり

 七月上旬の保守党員千三百人を対象にした調査では、ジョンソン氏の支持率は71・8%。もはや「勝負あり」の情勢だ。人気の理由について、ロンドン大のアラン・ベイガー研究員(英政治)は「強硬離脱を掲げる新興政党に流れた支持者を取り戻し、保守党右派を再集結させられるのはジョンソン氏しかいないと信じられている」と語る。

 だが「党員に人気でも、議員はすでに分裂している」という。公電漏えい事件で、トランプ氏の顔色をうかがい、政府要職である駐米大使を擁護しなかったという印象を与えたジョンソン氏。ベイガー氏は「女王の名代たる駐米大使を守らなかったことは深い懸念を生んだ。伝統とプライドを重んじる保守党議員は、ジョンソン氏がトランプ氏におもねり、次期駐米大使人事に介入させると恐れている」と指摘。新首相誕生は「米大統領へのぺこぺこ外交のスタートとなるのだろうか」と皮肉った。

<英保守党党首選と新首相> メイ首相の辞意に伴い10人が立候補。6月から下院議員313人が5回投票し、ジョンソン氏とハント氏の2人を選出。23日、全国約16万の党員による郵便投票結果が発表され新党首が決まる。翌24日、メイ氏はバッキンガム宮殿を訪れ、エリザベス女王に正式に辞任を申し入れ、後任として新党首を指名する予定。直後、新党首が宮殿に出向き、女王から組閣の任を受け新首相となる。

 

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