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【国際】

代理戦争の様相 武器が大量流入 リビア泥沼化原因

トリポリ南郊の前線で今年5月、武器を持つシラージュ暫定政権側の民兵=共同

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 【カイロ=奥田哲平】国家として分裂状態が続くリビア国内の対立が、中東地域の対立構図を反映した「代理戦争」に発展しつつある。トルコやアラブ首長国連邦(UAE)などがそれぞれ支援する陣営に武器を供与し、国連決議で定めた対リビア武器禁輸制裁を公然と無視する形で軍事衝突を助長している。

 リビアは、首都トリポリを拠点にイスラム主義勢力と連携するシラージュ暫定政権と、民兵組織「リビア国民軍」(LNA)を中心とする東部の世俗派勢力が対立。カダフィ旧政権の軍高官だったハフタル氏率いるLNAが四月に首都進攻作戦を始め、市民を含む一千人以上が死亡するなど戦闘が泥沼化している。

 代理戦争の構図は、「トルコ・カタール」が暫定政権を推す一方、イスラム勢力を抑え込みたい「エジプト・UAE・サウジアラビア」がLNAを支持。加えてリビアの石油利権を巡って対立するフランス・イタリアも介入し事態を複雑にする。

 首都近郊での武力衝突が続く中で、武器支援が明らかになり、AFP通信によると、暫定政権は六月下旬、LNA拠点から見つかった米国製対戦車ミサイルやUAEの印が付いた中国製レーザー誘導弾を報道陣に公開。仏国防相は十日、対戦車ミサイルは同国が購入したものであると認めたが、「行方不明になった」としてLNAへの供与は否定した。

 LNA側も、トルコが暫定政権側に無人機や軍用車などを支援していると非難。ハフタル氏がトルコ船舶などに対する攻撃を指示し、リビア国内のトルコ人労働者六人が一時拘束される事態に発展した。

 リビア国内には今も「イスラム国」(IS)に忠誠を誓う武装勢力が残り、混乱に乗じて伸長の機会をうかがう。二〇一一年のカダフィ旧政権崩壊後には大量の武器が流出し、闇市場を通じて中東のイスラム過激派などに渡ったとされており、代理戦争による軍事支援は武器拡散の再燃を招きかねない。

 リビア情勢に詳しいエジプト人専門家アブデルファタル・ヘテタ氏は「リビアには一六年時点でさえ二千万個の武器があったとされるが、この三年間で劇的に増加した」と指摘。「介入する国々は、リビアの和平と安定を遠のかせている責任がある」と批判した。

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