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【国際】

米ロ「中距離」開発本格化 INF廃棄条約失効

 【ワシントン=金杉貴雄、モスクワ=栗田晃】核軍縮の歴史的合意だった米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約が二日(日本時間同日午後)、米国の破棄通告から六カ月が経過し、失効した。米ロ両国は互いに禁止していた核兵器も搭載できる地上配備型中距離核ミサイルの開発などを本格化させる。軍備増強を続ける中国、ミサイル発射実験を行うイランや北朝鮮などを含め、軍拡競争が激しくなる恐れがある。

 条約は米ソ冷戦時代の一九八七年に調印され、射程五百〜五千五百キロの地上発射型中・短距離ミサイルの廃棄を規定した二国間条約(ソ連崩壊後ロシアが継承)。二千六百基以上の核ミサイルを廃棄し、冷戦終結につながった。

 米国はロシアの条約違反を再三指摘。ロシアは反論していたが、トランプ政権は昨年十月に条約破棄を表明し今年二月に通告、ロシアも義務履行を停止した。

 米国が条約破棄を判断した要因に、中国の存在がある。条約に縛られず軍拡を進め、二千以上の弾道・巡航ミサイルを配備。トランプ政権は、中国を含め三カ国の核軍縮を協議したい考えだが、中国は拒否する構え。米ロの核軍縮の枠組みは、戦略核弾頭数や大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの保有を制限した新戦略兵器削減条約(新START)だけになる。二〇二一年に期限切れを迎えるが、延長議論は進展していない。

 ロシア外務省のザハロワ情報局長は一日の記者会見で「世界に安定と安全を提供するのと真逆の方向性だ。説明する準備があったのに、米国が応じなかった」と批判。失効する二日は「悪い意味で歴史的な日になる」と述べた。

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