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【国際】

日米高校生、ネットで疑似留学 NPO企画 震災後8300人参加

米ワシントンでの「サミット」を終えた日米の高校生ら

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 日米の高校生がそれぞれ学校の授業で半年間、インターネットを通じて語学と歴史・文化を学びあう草の根バーチャル交流プログラムが注目されている。経済的理由で留学する機会が限られる中、同世代がお互い教室にいながら交流。昨年度に参加した日米各三十三校約千八百人の代表十二人が米ワシントンで十日間、「サミット」を開き、半年間の成果を披露、互いの絆を一層深めた。 (ワシントン・岩田仲弘、写真も)

 「グローバル・クラスメート」と題したバーチャル交流プログラムは、ワシントンのNPO法人「Kizuna Across Cultures」(スメサースト・文子(あやこ)代表)が東日本大震災後、被災地の子どもたちを励まそうと東北地方と米国の高校との間で始めた。以来、日本の参加校は全国に広がり、二〇一四年度にはキャロライン・ケネディ駐日米大使(当時)も応援。これまで約八千三百人が参加している。

 日米の参加校が毎年一校ずつペアを組み、九月から翌年二月までの半年間、ネットの専用掲示板に、好きな食べ物や音楽など身近な話題から互いの歴史・文化まで英語と日本語を交えて互いに紹介。「友情」などをテーマに、三分以内の動画の出来栄えを学校ごとに競うコンテストもある。

 日本からサミットに参加したのは、都立小松川高校二年の矢野愛子さん(16)や広島県立安古市(やすふるいち)高三年の大宮ひかるさん(17)ら、宮城、福島、徳島、愛媛からの生徒も合わせた計六人。

 半年間のバーチャル交流の経験を生かして「自らのルーツ」「無意識の偏見」など難しいテーマの討論に挑戦した。矢野さんは最終日の成果発表で「母の病気のことなど、これまで人前では遠慮して話すことはなかったが、自分をさらけ出すことでより親密になれることが分かり、自信がついた」と英語で堂々と説明した。

 大宮さんは「討論の準備で、日本人はみんな静かなのに、米国人は笑いながら和気あいあいとやっている。文化の違いを実感した」と語った。六人は今後、「お互いに県境を越え、参加校同士協力して、自分たちの経験をフィードバックしていきたい」と意欲を示した。

 交流の成果を見届けるために自費で視察に訪れた安古市高の矢野就暁(のりあき)教諭(52)は「言葉が完璧でなくても全く構わない。英語、日本語をお互いに間違えながら、面白い表現するんだねと、日に日に共感していく過程がよく分かった」と感慨深げ。スメサーストさんは「日本ではバーチャル交流の基盤がまだ整っていない。今後も積極的に学校現場に広めていきたい」と話した。

 

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