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【国際】

混迷のイエメン内戦 南部分離勢力が大統領宮殿占拠

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 【カイロ=奥田哲平】内戦が続くイエメンのハディ大統領率いる暫定政権が拠点を置く南部アデンで十日、南部の分離独立を主張する「南部暫定評議会」(STC)が大統領宮殿などを占拠し、市街地全域を掌握した。両勢力は反政府武装組織フーシ派の掃討作戦で共闘してきたが、内部抗争に発展した形。「世界最悪の人道危機」(国連)とされるイエメン情勢が一段と混迷している。

 AFP通信によると、イエメン外務省は「クーデターだ」と非難。アデンにとどまっていた内相ら政府職員は脱出した。サウジアラビア主導のアラブ連合軍は十一日、STCに撤退を求め、占拠する政府施設を攻撃したもようだ。

 発端は一日、アデンで開かれた軍事パレードがフーシ派の無人機で攻撃され、民兵組織の司令官ら四十人近くが死亡した事件。民兵側は、暫定政権がフーシ派に司令官殺害をけしかけたと疑い、七日から市街戦に発展。少なくとも約四十人が死亡した。

 イエメン内戦は、ハディ暫定政権を推すサウジ、アラブ首長国連邦(UAE)両国とフーシ派を支援するイランの「代理戦争」。アデンは二〇一四年にフーシ派が首都サヌアを掌握した後、脱出した暫定政権が首都機能を置いていた。

 だが、実際はUAEの軍事支援を受けるSTCの影響力が強く、政府高官は本紙に「クーデターの背後にはUAEがいる」と非難。STCと暫定政権の対立が本格的な武力衝突に発展すれば、内戦の構図がフーシ派も含めた三つどもえになる上、対イランで連携するサウジとUAEの関係にも亀裂が入りそうだ。

 イエメン内戦を巡っては、昨年十二月に国連仲介の和平協議で、暫定政府とフーシ派が部分停戦や捕虜交換などで合意。だが、本格的に発効しておらず、破綻する懸念が高まっている。内戦では一万七千人超の民間人が死傷し、国民の約三人に一人にあたる約一千万人が飢えに苦しむ。

 

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